原作 |
ジョセフ・ケッセル |
監督 |
ルイス・ブニュエル |
脚本 |
ジャン=クロード・カリエール/ルイス・ブニュエル |
キャスト |
カトリーヌ・ドヌーブ |
ジャン・ソレル |
ミシェル・ピコリ |
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配給会社 |
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前にも書いたが、今年のフランス映画祭の来日団長としてカトリーヌ・ドヌーブが任命されたのを機会に若き日のドヌーブを観てみようとTSUTAYAに走った。可愛らしくも「萌え」る「シェルブールの雨傘(1962)」と共に借り出したが「昼顔(1966)」だった。
「シェルブールの雨傘」の2年後に公開された「昼顔」は、全編を通してほとんど音楽がかからないという、ミュージカル形式の前作とは全く対照的な作品。監督はシュルレアリズムの巨匠と言われるルイス・ブニュエル。この作品でドヌーブが演ずるのは夜は貞節な若奥様、昼は妖艶な娼婦(しかもドM)という物凄い役柄。
あ、ちなみに「夜は貞節な若奥様、昼は妖艶な娼婦」は間違いじゃないです。ま、いわば主婦売春というか、そんなストーリーだから正直救いようが無い重い結末だったりするけれど、それらをカヴァーして有り余るほど、この作品の中のカトリーヌ・ドヌーブは美しい。イヴ・サンローランの衣装も信じられないほど似合う。「シェルブール」での「萌え」ではなく、この作品では下半身に直接攻撃されるような妖艶さがズギュンと来る、そんな感覚が記憶に残る作品といえよう。
心の内に秘める欲望を満たすことで、逆に日々の平穏を得るという難しい役を、セリフではなくその表情やしぐさ、動きなどで表現するカトリーヌ・ドヌーブにはマジ驚かされる。いやはやスゴイっす。もちろんそれは、監督のブニュエルの手腕でもあるのだろうけれど、それに応えて演じるドヌーブもタダモンじゃあありませんねやはり。悲しそうな後ろ姿、その歩き方、表情は解らずセリフがなくても、セブリーヌの遷ろう心象が何となくみえてくるなんて、ちょっと天才。ドヌーブもしかして北島マヤ?。恐ろしい娘(笑)。
そして、マゾな若奥様というシチュエーションにも、ある意味「萌え」てしまう悲しいオトコの性というか。エロ可愛いドヌーブもステキだけれど、妖艶なドヌーブもまたステキ。
カトリーヌ・ドヌーブの代表作のひとつだろう。ちなみにタイトルの「昼顔」は、セブリーヌの娼婦としての名前、すなわち源氏名。意味深であります。
*DVDは現在も入手可能。
*フランス映画祭2007公式サイト
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