原作 |
ポン・ジュノ |
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思い込みは恐ろしい…ならぬ、思い込みは“面白い”。
韓国で一番大きな河、漢江(ハンガン)。天気のよい休日には、家族連れや恋人たちが思い思いにくつろぐ憩いの場だ。そんな“平和の象徴”ともいえる漢江に、得体の知れぬ巨大怪物、グエムルが現れた。河川敷で売店を営んでいる一家の娘もさらわれ、家族による救出劇が開始される…。
と、こう書くといかにも「はいはい、適当に驚いていってくださいね〜」的なB級の怪物映画か、「これでもか! これでもか!」とショックと恐怖がひっきりなしに襲う、『ジョーズ』的なシリアスタッチのパニック映画を想像してしまう。だが、本作は一味もふた味も違うのだ。ただの怪物ものではなく、ただのパニックものでもなく、それ系の映画からは想像もつかない、あるテイストが全編を支配しているのだ。
いつの世も、どこの国でも、人を人とも思わない、生身の人間を物か何かと勘違いしているお役所仕事に、一般市民は辟易としている。国家の一大事に、そのお役所仕事的やり方が持ち込まれた暁には、一体どうなってしまうのか? 答えは言わずもがなである。この怪物を大災害や戦争に置き換えてみたなら…惨憺たる結果が待ち受けているのであろう。
怪物の出現を通し、「本当の怪物とは何か?」を見事にあぶりだす本作。どんな危機が訪れようとも、“家族”という最小単位が力をあわせることによって、ひと筋の光が射し込んでくるのだ。
世界各国の一流監督らの作品を差し置き、カンヌ国際映画祭が熱狂的賛辞を送った革命的作品。「韓国のスピルバーグ(ニューヨーク・タイムズ)」と讃えられる弱冠36歳の奇才、ポン・ジュノ監督による手腕は見事だ。ぜひ、“モンスターパニックもの”と思い込んでご覧いただき、意表をつくその“テイスト”にあっけにとられていただきたい。
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