原作 |
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監督 |
ニムロッド・アーントル |
脚本 |
マーク・L・スミス |
キャスト |
ルーク・ウィルソン |
ケイト・ベッキンセール |
フランク・ホエーリー |
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配給会社 |
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【これぞ完璧なスリラー!】
「なんだこの映画!」観終わった途端につい口をついて出てしまった。試写室を出てからも、うなされたかのように「なんだこの映画、なんだこの映画、なんだこの映画…!」と何度も何度もつぶやいてしまった。できが悪いという意味ではない。むしろその逆だ。こんなにまでも人の精神を揉みくちゃにしてしまえる力を持った作品への、畏怖の言葉が止まらなかったのである。
車の故障のために、人里離れたモーテルへの宿泊を余儀なくされた、1組の若夫婦。気分転換にと、古めかしいその部屋に置いてあったビデオテープを再生してみたところ、なんとも悪趣味なスプラッタ・ムービーだった。宿主の悪趣味にあきれ返る2人。だが、よくよく注意してその映像を見てみると、どうやら本物の殺人シーンらしい。しかもそのシーンはすべて、2人が宿泊しているその部屋で行われていたのだった…。
「スナッフ・フィルム」とは本物の殺人シーンを収めた映像である。闇市場では高額で取引されているという、まことしやかな都市伝説すら噂される代物だ。ジョニー・デップが自ら監督を務めて主役を演じた『ブレイブ』、私立探偵に扮するニコラス・ケイジが、裕福な未亡人から夫の遺品である8mmフィルムの調査を依頼される『8mm』などもスナッフ・フィルムを題材にしたものだ。
脚本家が実際に田舎道をドライブ中に目にした、どうやって食いつないでいるのか見当もつかないような寂れたモーテル。それと上述のスナッフ・フィルムのアイデアとを8年間あたため、目くるめくような珠玉のプロットを完成させた。この脚本は、本作がメジャーデビュー初となる新人ライターの手によるものだが、映画会社の重役たちの目に留まるや否や一読で映画化が決定したという。また、監督も長編2作目の本作が堂々のハリウッド・デビュー作となった。
そんな話を聞くにつけ、ハリウッドもまだまだ捨てたものではないと思える。音楽業界と同じく、映画業界もインディーズの新進気鋭作家を次々と発掘し、我々に真のエンタテイメントの骨頂を見せ続けて欲しい。
・公開 11月17日(土) 東劇ほか全国ロードショー
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