原作 |
- |
監督 |
ブレット・ラトナー(製作総指揮)、アンディ・チェン(監督) |
脚本 |
アンディ・チェン(共同脚本) |
キャスト |
キューバ・グッディングJr |
ジェームズ・ウッズ |
アンジー・ハーモン、アン・アーチャー |
|
配給会社 |
- |
|
【衝撃の結末】
“大統領暗殺”という題材は、これまでにもよく取り上げられてきた。大人気TVシリーズの『24』しかり、『JFK』しかり、『ザ・シークレット・サービス』しかり。今年で記憶に新しいところといえば、ドキュメンタリー風を装って現大統領を殺してしまう『大統領暗殺』か。これは「ぃゃ、まだブッシュさんは死んでないよ!」と、タイトルだけで笑わせてくれる逸品であった。
そして本作の登場だ。ある日、大統領が公衆の面前で銃弾に倒れてしまう。事件の解決のために必死で動き回るシークレット・サービス。だが、黒幕に近づけば近づくほど関係者が不可解な死を遂げてしまう…。
ストーリーとしては基本に忠実である。否、この手の作品に基本も何もない。「大統領暗殺→犯人の影に黒幕の手がかりを発見→黒幕は意外な人物でした、驚いたでしょ?!」というフォーマットの中に、いかに人間ドラマや意外性、アクションとしての見せ場を盛り込めるかが映画成功の鍵を握るのである。
暗殺シーンは二千人のエキストラを集めて撮影されただけあり、圧巻だ。また、「これまでの映画になかったアクションをフィルムに収めたかった。衝撃軽減用のパッドやワイヤーワークのないアクションをね」とスタッフが語るとおり、カーアクションも申し分ない。主人公を演じるキューバ・グッティング・Jr. も、なかなかキュートでよろしい。泥酔シーンでは見事な肉体を披露し、思わずハラハラドキドキしてしまった(どこ見てんの)。
そして、この手の作品に決まって使われる謳い文句、“衝撃の結末”はいかほどのものであったか? …呆気に取られるとは、まさにこのことだ。「ちょっと待ってよ、そんなこと? それが原因だったの? それだけで殺されちゃったの? いや、ありえんだろ」と、自分の目を疑ってしまうのである。が、エンドロールは容赦なく流れ始め、私の頭の中を真っ白にしてしまうのだ。
そういう観点でいけば、これは新手の“衝撃”だろう。驚愕でもなく、戦慄でもなく、「そのためにこんなにいっぱい人が動いてたの? こんなにいっぱい殺されちゃったの? 結局のところ、人間ってソレか?」と、物語の結末を信じたくない気持ちでいっぱいになってしまうほど、私の感情は揺さぶられてしまったのだから。
また、本作は来年1月5日公開作『勇者たちの戦場』との二部作でもある。こちらとも併せて、アメリカが抱える“闇”をとくとご覧いただきたい。
・公開 12月22日(土)銀座シネパトス他、全国順次ロードショー
(c) 2005 EQUITY PICTURES MEDIENFONDS GmbH & Co. KG III
|