原作 |
ステファニー・メイヤー『トワイライトII』(ヴィレッジブックス刊) |
監督 |
クリス・ワイツ(『ライラの冒険/黄金の羅針盤』) |
脚本 |
メリッサ・ローゼンバーグ |
キャスト |
クリステン・スチュワート |
ロバート・パティンソン |
テイラー・ロートナー、ダコタ・ファニング、マイケル・シーン |
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配給会社 |
アスミック・エース、角川映画 |
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“冬ソナ”にハマるのがオバ様たちなら、10代〜20代を中心としたまさに青春真っ盛りの女の子たちの心を鷲づかみにし、日本も含め全世界でメガヒットを記録したのが前作の『トワイライト〜初恋〜』(ご案内は左下をどうぞ)。早くもその次回作として登場したのが本作だ。人間の少女とヴァンパイア(吸血鬼)の少年との恋愛もの……なんて書くとただのトンデモものかと思われるかもしれないが、そんなことは全然ないから驚きだ。
18歳の誕生日を迎えたのに全然嬉しくない人間の女の子、ベラ。ヴァンパイアのため永遠に17歳で年をとらない彼氏、エドワードより年上になってしまうからだ。しかも、せっかくのバースデイパーティーではエドワードの家族の一人が本能を抑えきれず、ベラの身が危険に晒されてしまう。ベラを守るため、苦渋の決断をしたエドワードだったが……。
恋は障害があればあるほど燃え上がるという。あのシェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」然り、ほとんどの恋愛物語になんらかの障害がないものなんてない。その点は本シリーズも同様なのだが、その障害の種類が少々風変わりだ。人間と恋をしてはならないというヴァンパイアの掟があるからこそ熱が上がってしまう二人の温度。しかもお相手の男子が(吸血鬼だから青っ白いとはいえ)セクシーなイケメンだったり、タフでワイルドな狼男だったり。そもそも女子って生き物は幼少のころから、人魚や妖精、魔女、一角獣、竜、不死鳥……そんなファンタジーチックな想像上の生き物を信じていたタイプが多いのではないだろうか? ドリーミーな不思議ワールドという設定で思春期・青春期の女子の現実逃避願望を満たしつつも、好きな人に言われたい、あるいは決して言われたくないあんな言葉やこんな言葉が巧みに散りばめられ、驚くほどリアルな恋愛ものに仕上がっているのだ。世界中の女の子たちがハマるのも充分に頷ける。
つい先日、日本に先駆けて全米でも公開されたが、セールスも驚異的なヒットを記録している。なんと公開3日間の興行収入があの『2012』を遥かに上回り、第一位と飾ったというのだ。これは『スター・ウォーズ』『ハリー・ポッター』『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどすべてを上回る全米歴代3位のスタートで、初日だけを見ても『ダークナイト』、『トランスフォーマー/リベンジ』、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』を凌ぐナンバーワンスタートとのこと。ダコタ・ファニングが初の悪役として出演しているほかは、誰もが知っている有名なスター俳優がさほど出演していないにも関わらず、堂々のこの成果。さすがの作品力に、ぜひ、貴女もハマってみては?
もちろん、男子だって充分に楽しめるはず。もちろん1作目を観てからのほうが意味は通じるが、本作の随所にさりげなく前作の説明が施されているので、本作から観始めても大丈夫。デートに最適な逸品。
11月28日 新宿ピカデリーほか、全国ロードショー
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