原作 |
クリス・クリーヴ(『息子を奪ったあなたへ』) |
監督 |
シャロン・マグアイア |
脚本 |
シャロン・マグアイア |
キャスト |
ミシェル・ウィリアムズ |
ユアン・マクレガー |
マシュー・マクファディン |
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配給会社 |
リベロ/日活 |
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ユアン・マクレガー、そして『シャッター アイランド』のミシェル・ウィリアムズ、この二人の豪華スターによる共演。テロによって息子を奪われるという凄まじい現実を、母役のミシェルが懸命に演じる。
ロンドン、イーストエンド。警察の爆弾処理班の夫と4歳の息子を持つ、若い母(ミシェル・ウィリアムズ)。新聞記者(ユアン・マクレガー)と不適切な関係に陥った彼女は、その日も彼との情事を楽しんでいた。だが事態は急変する。夫と息子が出かけたスタジアムで爆破テロが起きてしまうのだ……。
本作の“母”には名前がない。すべての母に通じるよう、普遍的な意味を持たせるために名前がないのだという。一休は正月の客に何かめでたい書をくれと頼まれ、「親死 子死 孫死」と書いた。死とは何事か、と怒った客に一休は、逆の方がめでたいか? と返したという。このめでたくない「逆」が起きてしまったのが本作だ……しかも自分の情事の最中に。母のその悲しみは抑えても溢れ溢れ溢れ、とどまるところを知らずにスクリーンを満たし続ける。加えて軽いどんでん返しもあり、物語は不穏なまま終盤へ。そのラストだが、正直、若干安易な印象は否めなかった。だが、あれ以外に何が彼女を救えようか。あの状況に陥った彼女にとって、救いはそれしかないのだ。
ミシェル・ウィリアムズとスカーレット・ヨハンソンが激似で、一瞬、マイケル・ベイ監督の『アイランド』のユアン&スカーレットのタグが復活か? と思ってしまったが、よくよく見ればスカーレットではない。世に美しい女性はかくも多いものか……と感心しているのも束の間、ユアンとミシェルのそのシーンに少しばかり衝撃を受ける。“ユアンラブ”だから嫉妬しているのではない。ないのだが、そのシーンがまったくエロくなく、そして美しくないのだ。何か動物の交尾を見ているようで(ま、人間も動物だからあながち間違いではないのたが)、まったくソソられない。不倫の恋が美しく見えたらそれはそれで問題なので、これはもしかしたら製作側の意図どおりの反応なのかもしれない。両者のファンの方は、いろんな意味で必見のシーン満載の映画だ。
1月29日(土)より銀座シネパトス他にて全国順次ロードショー
R15+
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