旅ゆけば博打メシ
in桐生 焼き○○○○○と海なし県の魚に腰を抜かした赤城の夜
2013 / 10 / 04
9月18日 群馬県みどり市 ボートレース桐生
いやはや、8〜9月はさすがにくたびれた。出張も多かったし、テレビやらイベントやらの出演も多く、その合間に本職である『BOATBoy』制作をこなし、まるで余裕のない日々だったのだ。9月に入ってからは、徳山やら児島やら松江やら、当欄でもかつて取り上げた中国地方を飛び回った。究極は9月17日から18日で、島根県松江から群馬県桐生への移動、しかも3連休最終日(とその翌日)で空路は空席なし、という状況での陸路移動である。日本地図や時刻表などをご覧いただけば、この行程の無謀さがおわかりいただけるかと思います(しかも台風上陸で新幹線は遅れに遅れるし)。
というわけで、最後に辿り着いたのはボートレース桐生。昨年も訪れており、当欄では名物・ソースかつ丼を取り上げている。今回ももちろん、ソースかつ丼を食さずにはおれなかったわけだが、それ以外に気になるメニューがひとつあった。
「焼まんじゅう」である。『BOATBoy』で読者にグルメアンケートを行なった際、複数の「美味し!」報告があったものである。正直言って、まったく未知のグルメであった。桐生には何度も足を運んでいるが、まるで聞いたことがなかった。これはまったくもって迂闊。複数の方があげてきたのだから、これは間違いなく桐生名物のひとつであろう。
ただし、それを知ってもあまり食指が動かないメニューではあった。甘味、苦手なんです。食えないわけではないが、積極的には食わない。食っても美味しいとは思わない。だから、バクチメシ評論家とか自任したりしていなかったら、スルーしたグルメであろう。しかし、今の私が見て見ぬフリはできないだろう。味を確かめもせずに通り過ぎたら男が廃る。バクチメシ評論家の名が汚れる。ここは己の嗜好など脇に追いやって、歯を食いしばって食わねばならんだろう。焼まんじゅうは、ソースかつ丼の新井食堂もあるフードコート内で売っていた。たかがまんじゅうだ。ふたつくらい食ってやろう。
「焼まんじゅう、ふたつ〜」「は〜い、3分ほどお待ちくださ〜い」
注文されてからまんじゅうを焼き始めるシステムのようで、これは好感。香ばしさとアンコが絶妙なハーモニーを醸し出しそうだ。舟券予想をしながら、しばし待つ。お待たせしました〜、と呼び出しがかかる。はい〜、と受け取りに行く。目の前に焼きまんじゅうが差し出される。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁっ!」
と心で叫びましたね。まったく想像もつかない食いもんが出てきたのだから、腰が抜けそうになった次第なのだ。
アンコじゃありません。味噌ダレでいただく「焼きまんじゅう」。
温かいうちにどうぞ
ソースカツ丼に煮込みに……桐生名物揃いの新井食堂。
そちらの「あんかけラーメン」。これも美味!写真をご覧いただきたい。注文したのはふたつだったはずなのに、四つもまんじゅうがあるって? 四つじゃない。八つなのだ。「焼まんじゅうひとつ」と注文すれば、串に四つも刺さったコイツが出てくる。そう、この四つの下にあと四つ、隠れているのだ。あまりのボリュームにその場で食べることを断念、串を抜いてパック詰めにしてもらって記者席に持ち帰ったわけだが、相方である畠山直毅と分け合っても結局食い切れなかった。
そして! 最大の誤算というかこちらの勘違いというか、とにかく予想だにしていなかったのは、これ、甘味じゃないのである。まんじゅうと聞いて想像する、蒸し上げた生地の中にアンコ、という代物ではないのだ。そもそも、食べてみればこれはパンである。小ぶりなパンを焼き、それに独特な味噌ダレをつけてさらに焼く、というものだ。それをまんじゅうと称しているだけで、いわゆるまんじゅうとは一線を画す。そしてこれが確かに味噌味が絶妙に効いた美味なる逸品であり、温かいうちに食えばビールにジャストミートであろう(冷えると、ちょっと味噌ダレがしつこく感じる)。
まんじゅうと聞くと、和風デザートというか、おやつというか、そんなふうに考えるだろうが、これはもはや立派な食事。あるいはビールのお供である。いや〜、驚いたなあ〜。バクチメシの世界はまだまだ奥が深い。それを痛感した桐生ボート、なのであった。
海はなくとも海鮮系が安くて美味い!
こちらの刺し盛りは1500円也
本場・土佐の高知と見まごう?
ねぎににんにくがたくさんの「かつおのたたき」夜は「居酒屋どん」が気に入った。群馬といえば海なし県であるが、この店は海鮮系が安くて美味いのだ。かつおのたたきはにんにくを薄切りにしてともに食す本場流であり、刺身の盛り合わせは写真の量でたった1500円。新さんまの刺身が入っているあたりも嬉しい。これを群馬の飲み屋ならほぼ必ず置いている地酒「赤城山」とともに食せば、最高に幸せな秋の夜、なのである。と、モリモト・パンジャ氏に報告したら、「今宵限りじゃなくて、毎日呑めるんですね」。お見事! 今度パクらせていただきます。
※次回は11月8日に公開です。今回の桐生・GI新鋭王座決定戦の模様は10月11日発売の『BOATBoy』にて。また、現場からのほぼリアルタイム更新『BOAT RACE ビッグレース現場レポート』は9月14日の前倹日から平和島・SG全日本選手権をお送りします。
ご本人さま登場のインタビューもよろしく!
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