旅ゆけば博打メシ
in浜名湖 行かなきゃ浜松に来た意味なし? そんな老舗で鰻の夜
2014 / 07 / 04
6月24日 静岡県湖西市 ボートレース浜名湖
6月はまずボートレース若松に出張に出かけたが、例によって「エビス屋食堂」に入り浸り。もはや「黒須田のエビス屋好き」はすっかり浸透しており、若松では30人ほどのお客さん&関係者に「今日も行くんですか?」と訊ねられたのであった。それにしても、いったい何回この稿でエビス屋の名前を出したことだろう?
まずは浜松の地酒、出世城。
家康が建てた浜松城にちなんでますというわけで、浜名湖。6月終盤に1週間のビッグレース出張と相成った。浜名湖ボートといえば、第3回でも記したように、かつてはスタンド2階にある「ピットイン」で、安くて美味なる鰻が食えたものである。最初に行ったときには600円で大ぶりの鰻が2枚。それが、値上がりし、鰻が小さくなり、今では1050円というボートレース場においては“高級グルメ”になってしまった。誠に残念である。
これは、全国的な「鰻の稚魚の不漁」が原因となっている。鰻の生態は今もってようわからん、という部分が多いらしいのだが、ゆえに稚魚の不漁もまた原因不明。浜名湖は全国有数の鰻の名産地であり、湖面には養殖の様子が随所に見られるわけだが、稚魚が少なけりゃ養殖もままならぬ。供給が需要に追い付かなければ価格高騰は必然であり、したがって浜名湖ボートだけではなく、その周辺全体で値段は上昇している次第である。今年は久々に稚魚が豊漁になっているという話もあり、そのうち価格が下がってくるのかもしれないが、6月終盤は残念ながら高騰模様は変わっていなかった。それにしても、ニホンウナギ=絶滅危惧種となったら、さらに価格が上がっちゃうのだろうか。
鰻に代わり、浜名湖ボートの名物グルメとなっているのは、やはり第3回で書いたとおり、串カツとエビフライ。もともとは100円ポッキリだったが、今回は110円と若干の値上がりがあった。消費税分でしょうね。これはまあ致し方ない。110円でも安いことには変わりはない。
今回、チャレンジしたのは、先の「ピットイン」のラーメン。美味いという情報が寄せられたのだ。一言で言うと、ごくごく普通のラーメンであった。スープはややスパイシーであり、胡椒を振りすぎると危険かも。突き抜けるような特徴が他にあるわけではないが、舟券勝負の合間に手軽なランチとして食すには悪くないだろう。小腹がすいたときの軽食にしてもいいかもしれない。
浜名湖おなじみ「ピットイン」のラーメン。
鉄火場でのお気軽な一食として嬉しい味さて、レース場で鰻を食する機会はすっかり減ってしまったが、しかしこの地に来たからには、やはり鰻を食わずにはおれない。宿泊は浜松、ここには明治時代に創業されたという老舗「八百徳」があるのだ。一度はここに行かなきゃ、浜松に来た意味がない。というわけで、日本代表が予選クリアを逸した夜、駆けつけたのである。早起きだったからとっても眠いが、この店は8時15分ラストオーダーと、さくっと飲んで食って帰るには、むしろありがたい閉店時間。肝焼きと白焼きを食いながらマス酒をクイッとやれば、10時ころにはゴキゲンに床に入れることは請け合いなのである。
八百徳さんの鰻も、たしかに値段は上がってました。しかし、まったく問題なし! 絶品の肝焼きと白焼きは、値段に見合うどころかそれ以上の美味である。マス酒には塩がついてきて、マスのへりにちょこんと乗せて呑めば、クゥーーーーッ、利くぅーーーーっ! 極楽にいるかのようなぜいたくな気分である。
締めは、鰻重ももちろん美味いが、鰻茶漬けがお気に入りである。ようするに、名古屋あたりで言うところの「ひつまぶし」ですかね。まずはそのまま食って鰻重の味わいに痺れ、お次は薬味を乗せ、絶品の出汁をかけて茶漬けの味わいに恍惚とし、最後は気分次第でいかようにでも、という一粒で三度も四度も美味いこの逸品は、マス酒でへべれけ気味になっているとなお、幸せな味なのである。写真では右上の一角にご飯が見えてしまってますが、言うまでもなく、勢い込んで写真を撮る前に一口食べちゃったのである。それほどまでに、これが目の前に運ばれるとテンションが上がるのだ。すみません。
高かろうが浜名湖では鰻だ!ということで浜松駅前の名店「八百徳」へ。
三度も四度も美味しい鰻茶漬けでドン!この美味し鰻がいつまでも食べられることを、またいつか価格高騰が落ち着くことを、願ってやまない。八百徳の鰻は、まごうことなき、浜松の文化である。
※次回は8月8日に公開です。浜名湖で行なわれたSGグランドチャンピオンの模様は7月11日発売の『BOATBoy』にて。現場からのほぼリアルタイム更新『BOAT RACE ビッグレース現場レポート』は丸亀・SGオーシャンカップの模様を前検日7月15日から最終日21日まで、もう一丁で三国・GIレディースチャンピオン(女子王座決定戦)も前検日8月4日から最終日10日までお送りいたします。
そうそう、ご本人さま登場のインタビュー、もう半年も経ちました「賞金女王展望」と「賞金王展望」もまだまだ楽しめます!
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