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うららの愛Camera
PENTAX67
スペックより直感的に「コレしかない!」
写真家・井出有美
2012 / 09 / 03
今回は、女子カメラマンの登場です。卒業された恵比寿の写真学校から歩いてすぐの公園をお散歩しながら井出有美さんにお気に入りのカメラについて紹介していただきました。
うらら:写真との出会いを教えてください!
井出:短大を卒業後、長野にホテルマンとして就職しました。長野って自然がいっぱいあって、休日に山を探検することが楽しくなっちゃっていて……。綺麗な夕日を見た時に「撮りたい!」って、感じました。
初任給で、一眼レフデジカメ(ニコン・D40)を買って、写真を撮り始めました。けっこう、良く撮れたなぁ〜って思って(笑)、そうすると誰かに見せたくなるじゃないですか〜。プリントして写真を見せているうちに、このまま今の仕事を続けていていいのかなって思うようになって、「そうだ、カメラの学校で勉強しよう!」という思いがふくらみホテルマンの仕事を辞め、またこっちに戻ってきました。
東京の写真学校(バンタンデザイン研究所)で勉強することになって、最初はフィルムカメラの授業でニコン・FM2を、それからデジタルではニコン・D300sを使って撮影をしました。
学生時代に『APA Award』に応募した作品で奨励賞をいただいて、卒業後はフリーでカメラマンの仕事をしながら、作家活動をしています。
通常は上部2カ所にストラップを付けますけど、私の場合は右サイド2カ所に付けてカメラをタテにさげます うらら:井出さんのお気に入りのカメラを教えてください!
井出:PENTAX67です(レンズ=SMC-Pentax 105mm F2.8)。デジタルよりフィルムで撮影するほうが好きなんですけど、大きく引き延ばしたときに、どうしても35mmのフィルムに限界を感じてブローニフィルムを使いたいなって。ハッセルやローライなどありますけど、上から覗かないといけないので……。そのスタイルが合わなくて真正面から撮れるカメラはないかな?って探していたところで、このカメラと出会いました。メカのことはあまり詳しくないので、スペックより直感的に「コレしかない!」って思いました。
うらら:カメラってフィーリングがあわないとダメですよね!
井出:見た目から入るタイプなので、これがカッコイイって感じでしたね。グリップを付けると、もっと撮影しやすくなるので、現在、購入を考えています。
うらら:恋人に出会った感じですか?
井出:ちょっと違うかも……(笑)。でも、たまにカメラに話しかけたりはしますねー。
うらら:私も話しかけたりしますよー。
井出:やっぱり!
うらら:今でも新品で購入できるんですか?
井出:もう生産はしていないと思います。これは中古で買いました。初期のモデルなのでお買い得な値段で7万円くらいでしたね。これ以降のモデルは結構な値段ですね。
うらら:いつも持ち歩いているんですか?
井出:「よし、写真を撮るぞっ!」ってときだけですね。山に車で撮影に出かけるときに持っていきます。手持ちだとブレてしまうので、三脚にセットして撮ります。シャッターを切ると“ガチャーン”ってミラーの振動が大きいんですよ。でも……けっこう、手持ちでも撮っちゃう!(笑)
うらら:ほんとうだ! けっこう振動がありますね!
井出:手持ちだとブレたりしますけど、そのブレ具合が良かったりもします。
うらら:他にお気に入りなところは……。
井出:画角が好きですね。35mmだと、ちょっと横が長いかなって。同じブローニサイズでも6×6だと可愛く収まっちゃうし、この6×7のサイズ感が好きです。
うらら:出力紙もいろいろと選ばれてますね。
井出:ハーネミューレのフォトラグ・ブライトホワイト・ペーパーをよく使います。画用紙みたいな質感が好きです。後は、コスモスインターナショナルのピクトラン・局紙ですね。ちょと高価な紙ですけど……。どちらかというとマットな感じが好きです。
うらら:個展などの予定は?
井出:まだ個展の予定はないんですけど、グループ展には何度か参加させていただいています。もうしばらくしたら個展もやりたいですね。将来は、自分の生きた証として、後世に残る写真を1枚で良いので撮りたい。がんばります。
『愛車』
PENTAX67 / SMC-Pentax 105mm F2.8 f/8、1/4
『non title』
PENTAX67 / SMC-Pentax 105mm F2.8 f/5.6、1/60
『nagano』
PENTAX67 / SMC-Pentax 105mm F2.8 f/5.6、1/125
プロフィール
井出有美(Yumi Ide)
1987年埼玉県新座市生まれ
材木屋の長女。自分自身を何かで表現することを幼いときから面白いと感じる。
写真に出会い、本格的に撮り始めたのは20歳の夏。
自分の生きた証を残すために、写真を撮り続ける。
現在フリーカメラマンとして活動中。
2010年度 日本広告写真家協会主催 APA Awardにて奨励賞を受賞
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エンタメ : うららの愛Camera 記:中村 うらら