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うららの愛Camera
Nikon COOLPIX A
カメラを構えても人がカメラを避けない!
写真家・橋本忠義
2013 / 11 / 13
今回は、11月17日(日)よりバリ島で開催される「BAL deep」に参加する橋本忠義さんに、現地バリ島にて、カメラとの出会いから今回紹介するカメラの魅力について話を聞いた。
うらら:カメラとの出会いを教えてください!!
橋本:高校卒業時に、これからはパソコンの知識が必要だと思い、パソコンの専門学校に3年間通いました。その後、写真館にブライダルプランナーとして就職。ハワイなどの海外ウェディングを主に手がけていました。その会社でグアム支店立ち上げの話があり、以前から南の島に住みたいという夢もあって、これはチャンスだと、プランナーの自分が手を挙げました。でも、必要だったのはカメラマンだったので、会社からカメラの勉強をするように言われ、そこからカメラマンとしての道が始まりました。
夢を叶えるためのひとつの手段としてカメラマンという職業を選んだわけですから、当時は必死で勉強しましたね。祖父は街の小さな写真館を営んでおり、父も一緒に働いていて、写真一家だったので、子どものころから祖父、父の背中を見て育った私は「こんな面倒くさい仕事はぜったいやるかいな!」と思っていたにもかかわらず、南の島というエサにひっかかってしまった(笑)。そんな私ですが、カメラマンになることを祖父は喜んでくれました。
うらら:写真の世界に引き込まれる、なにかが運命的にあったんですね。
橋本:確かに!!
研修を兼ねてハワイに数カ月、グアムで1年カメラマンとして勤めた後、同じ会社で今度はバリ支店立ち上げの話があり、バリ島に移住しました。
うらら:その間はすべてひとりで?
橋本:そう、ひとり! 非常に不安だったね。
うらら:何歳の時にバリ島に?
橋本:バリ島には23歳の時、2003年です。それから1年半経ったころ、カメラマン人生にひとつの転機が訪れました。その日は撮影後に、夜の便で日本に帰る予定でしたが、カメラ機材、パスポート、ビザ、エアチケットなどを持って移動中に盗難にあい、すべてをなくしてしまった。会社からは盗まれたことは自己責任だから、カメラ機材はすべて自分で揃えなさいと言われてしまって。そのことですごく落ち込み、気もめいり、泣きそうになってしまった。もう、この業界を辞めてしまおうかなとも思いましたね。ただ、いろいろ考えた結果、カメラを買う決断をしました。それは、今後カメラマンとしてこの仕事をやり続けるという意思表示の証だった。それから、今まで営業写真しか撮ってなかった自分は、建物、風景、広告など撮ったことのないジャンルの写真に挑戦して、写真の幅を広げていきました。
それから半年後に、またしても転機が……。今度は会社が倒産してしまったのですよ。しかし、当時バリ島には私以外に日本人カメラマンがひとりもいなかったので、これは逆にチャンスかもしれないと思い、バリ島で撮影会社を設立しました。
うらら:設立されたときはひとりですか?
橋本:最初はひとりでした。それから2人、3人と増えて、今では日本人カメラマン4人と地元のカメラマン2人の計6人で運営しています。
会社を立ち上げて1年間は、仕事がほとんどなく、もちろん収入もほとんどなく、妻と息子には迷惑をかける日々でしたけど、そんな自分を見守って応援してくれた妻には、とても感謝しています。
うらら:結婚はいつされたんですか?
橋本:2002年にグアムで結婚しました。
うらら:苦労を乗り越えて今の幸せがあるんですね?。
橋本:今は落ちついて、非常に調子が良いですね!
うらら:いちばん最初に仕事で使ったカメラは?
橋本:フィルム時代のNikon F100。F100を2台持って、ウエディングをメインに撮影してました。生まれ育った徳島から、ハワイ、グアム、バリの流れで……。仕事のベースにウエディングがあり、雑誌の撮影やプロモーション用の撮影だったりでしたね。その後は、デジタルになり、Nikon D50からD200、D300、D700、D4、D800Eと使っています。
うらら:それでは、本題に入ります! お気に入りのカメラを教えてください!
橋本:お気に入りのカメラは、Nikon COOLPIX Aです。このカメラはNikon D7000と同じDXフォーマットが搭載された始めてのコンパクトデジタルカメラ。今まで何度もコンパクトデジタルカメラを使ってきましたが、ずっと不満を持っていたんですよ。ふだん仕事で使っている一眼レフカメラと比べると、どうしてもクオリティがたりない。このカメラは、初めて一眼レフカメラと同じクオリティで撮影できると、喜びと安心感を得られました。
うらら:いつごろ購入されましたか?
橋本:すぐですね。発売した直後に購入したので、2013年3月です。今から半年くらい前かな? すぐにお気に入りのカメラになりました。四六時中一眼レフカメラなんてものを持ち歩くのは負担が大きい。とにかくポケットに入るサイズ。それと、カメラを構えても人がカメラを避けないサイズ。一眼レフカメラを構えると普通の人は身構えるし、顔を隠す人もいる。今まではいろいろと不都合があったけど、これで撮っていると、僕はカメラマンじゃないよ、観光客なんですよ、趣味で撮ってますよという感じに被写体に伝わるので、心を許してくれるんです。クオリティが一眼レフカメラなので、言うことなしです! あとはニコンならではのデザイン、使いやすさですね。
うらら:レンズの好きなところは?
橋本:Nikon COOLPIX Aのレンズは28mm単焦点というところ。ワイドな部分をカバーでき、他のコンパクトカメラと違って、ズーム機能がついていないため、レンズに負担がかかっていないので、その分、画質が綺麗。
うらら:ずっとニコンのカメラを使われていますが、こだわっているところは? それと修理はどうされているのですか?
橋本:ニコンにこだわる理由は、自分が海外で撮影をしているということ。よく同じことを聞かれますが、ほとんど壊れたことがない。壊れたとしても日本に帰るまでの時間を騙し騙し使える程度の故障で、日本に帰った時に修理に出す感じです。非常にタフなカメラ。それがいちばんの理由です。
寒いところ、暑いところ、湿気、ホコリといろいろな条件での撮影を想定して設計されているんだなって、実感するカメラです。
うらら:仕事でのカメラへのこだわりは?
橋本:ニコンの中でいちばん良いカメラとレンズを買おうと決めています。その理由は、自分が撮影した作品に言い訳ができないようにするため。今の機材で駄目なら自分の技術力のなさだということ。逃げ道がないように、ちょっと無理をしてもいちばん良い機材を使って行こうと考えています。
うらら:そのこだわりが橋本さんの作品に見えますね。最後にこれからの夢を教えてください。
橋本:今は仕事が順調で忙しくて自分の時間も少なく、自分のやりたい撮影ができていない。夢というか、やりたいことは、バリ島を離れて、インドネシア国内の他の場所を撮影したい。後は、地元の徳島県。地元の写真をほとんど撮ったことがなく、バリ島の今を撮って残したいという気持ちはもちろん、自分が生まれ育った街の姿もしっかりと残していきたいという思いもあります。時間があれば、カメラ片手に自由気ままにいろいろなところで写真が撮りたいですね。良い出会いがあり、そして良い作品が撮影できた時に、ガッツポーズするぐらい喜ぶ。それが今自分の中でいちばんの望みです。
うらら:私も同じことを感じます。私もがんばります!
Nikon COOLPIX A F7.1 1/320 ISO200
Nikon COOLPIX A F4 1/200 ISO200
Nikon COOLPIX A F7.1 1/500 ISO200
Nikon D200 F5.6 1/125 ISO400
プロフィール
橋本忠義(Tadayoshi Hashimoto)
BLESS 代表
写真の魅力は、一枚の写真を時を経て振り返った時、その一枚から、当時の情景や想いを感じ取れるところにある。 バリ島に住んで10年、観光地と呼ばれるエリアは急速に開発が進み、街並み、景色、人々のめまぐるしい変化を目の当たりにしてきた。 一方で観光地から少し離れると、昔ながらの風習が脈々と受け継がれ、今も息づいている光景に出会う。 そんな多様性に満ちたバリ島の今を、50年後100年後に届けたい。 世代を超えてバリ島の魅力を伝えたい。それが私の役割、ライフテーマだと感じている。
公式HP:http://hashimototadayoshi.com/
BLESS:http://www.blessbali.com/
『BALI deep展 2013』
テーマ:静寂-Tranquility
心の静寂とその継続への願い。
開催日:2013年11月17日〜2013年12月17日
(オープニング・パーティ 11月16日)
開催場所:プリ・ルキサンミュージアム(バリ島・ウブド)
公式HP
http://www.balideep.jp/
facebook
https://www.facebook.com/balideep1
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エンタメ : うららの愛Camera 記:中村 うらら