シネマピア
ハチミツとクローバー
『ハチミツとクローバー』、略して『ハチクロ』。コミックから端を発した大人気作品の快進撃は、テレビアニメに、そして実写映画にと、とどまるところを知らない。
「自分の好きな人が自分のことを一番好きになってくれる、たったそれだけの条件なのに、永遠にそろわない気がする」ーーーこれは劇中の女子大生のセリフだ。それぞれの想いは夏の日の海のように乱反射し、交差しあいながら青春の1ページを綴っていく。美大生5人、男女それぞれが“全員片想い”という、なんとも歯がゆく切ない、それでいて爽やかなラブストーリーだ。
タイトルの「ハチミツ」はスピッツ、「クローバー」はスガシカオの楽曲からイメージして付けられたものだという。原作者のその思いを反映し、主題歌はスピッツが歌い、エンディング・テーマはスガシカオの作詞・作曲によるものとなった。スピッツのボーカル、草野マサムネは主人公たちと同じく美大生だったことがあるという。「花は美しく トゲも美しく根っこも美しいはずさ」と、ポエティックな草野節も健在だ。スガは原作のコミックの大ファンで、「セリフを暗記するくらい読み込んで」いるという。両人とも、映画への楽曲提供が初めてとは思えないほど、ぴったりマッチした曲に仕上がっている。まさに“素”で作品にフィットする二大アーティストの共演も、本作の話題作りに一役買っているといえよう。
「逃げてる場合じゃなかった。今逃げたら、全部、なかったことになってしまう。」「僕は、自分が彼女のために出来ることの少なさ、小ささに、愕然としていた。」「お前は一人じゃない。だから、勝手に一人になるのは、やめろ。」甘さと切なさが絶妙にブレンドされたセリフにも、思わず胸がキュンとなってしまう作品だ。
ハチミツとクローバー スペシャル・エディション(DVD)
ハチミツとクローバー(コミック)
原作:羽海野チカ
監督:高田雅博
脚本:河原雅彦
出演:櫻井 翔/蒼井 優/伊勢谷友介
配給:アスミック・エース エンタテインメント
ジャンル:邦画
公式サイト:http://www.hachikuro.jp/
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