シネマピア
ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT
1作目はロサンゼルス、2作目はマイアミ、そしてこの3作目は東京を舞台に展開されるスタイリッシュでクールなカーアクション・ムービー。
自国が舞台となると、否が応でも期待が高まる。自分の故郷がテレビに映っていたりすると嬉しくなるようなものだ。世界のハリウッドが日本の要素をたっぷり取り入れて撮るわけだから、仕上がりを期待せずにはいられない。だが、その期待が裏切られずに済むことは稀だろう。本作も、実に惜しかった。
“日本人”という設定で出演しているハリウッド俳優は、どうひいき目に見ても日本人に見えなかったのだ。一般的な日本人でもなく、かといって美形の日本人でもなく。東洋人であることだけは事実だが、日本の国の人ではない。けれど、それは無理もないことだろう。本物の日本人ではないのだから。そしてその“日本人ではないオーラ”を、我々日本人は如実に感じ取ってしまう。俳優が日本語を喋るシーンがあるのだが、なんとそこだけ本物の日本人の声で吹きかえられてもいた。ここまでされると、一気に気分が萎えてしまう。まぁ、この映画は凝ったデザインのチューンド・カーや、マニア垂涎のレース・カーをふんだんに見せることが主軸だから、そんなディテールはどうでもいいことなのかもしれない。
ただ、実際の渋谷の街をLAに再現したことは特筆に値するだろう。チェイス・シーンの撮影のために6ブロックを閉鎖し、日本語が書かれた道路標識や建物、看板、バス停等々、どこからどう見ても本物の渋谷の街にしか見えないセットだった。
ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT(DVD)
監督:ジャスティン・リン
脚本:ジャスティン・リン
出演:ルーカス・ブラック/バウ・ワウ/ナタリー・ケリー
ジャンル:洋画
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