シネマピア
ザ・シューター/極大射程
アクションモノを観るとき、キャストの動き具合やストーリーもさることながら、注目してしまうのは何といっても役者の肉体である。
主演のマーク・ウォールバーグといえば、年初に公開された『ディパーテッド』でジャック・ニコルソンを制し、見事助演男優賞にノミネートされた実力派俳優だ。『ディパーテッド』では一癖も二癖もある口の悪い刑事を演じたマークが、本作では無骨で口数の少ない狙撃手を演じる。『ディパーテッド』での七三分けの彼は向こう見ずで自分を抑えられないヤンチャ加減が途轍もなく素敵だったが、本作では髪を短めに切り、冷徹なまでに標的を狙い、絡まりあった真実をその頭脳を駆使してほどいていく。もちろんアクションは筋金入りで、ほとばしる汗とその冷静な立ち居振る舞いに、私の目の中ではハートマークの乱舞が止まらなくなってしまったのである。
そしてこれまたアクションモノのお決まり中のお決まりだが、主役の半裸姿を必要以上に魅せつけるシーンもモチロンある。ベッドに横たわるマークを、「ぃゃ、そんなショットで撮らなくても」ってぐらいに映しだしているのである(ラブシーンにあらず)。そのあからさまな手法に撮る側のイヤラシサをたっぷりと感じながらも、筋骨隆々で逆三角形の上半身にじっとり汗をにじませたマークのその肉体に、「うひょー」とか心の中で叫びながら、マジマジと見入ってしまうのである。もうここまでくるとストーリーなんかどうでもよくなってしまうのである(ぉぃ)。
ただただマークの虜になってしまうのである。たとえラストが「やっぱりソレかよ」というシロモノだったにせよ、マークの前ではすべて許せてしまうのである。
願わくは、『ディパーテッド』での七三のマークが半裸で汗ばんでベッドに横たわって意識を失っていてほしいのである(それどんな映画だよ)。イヤチョットマテ、七三ってより、これは一九だな……。ま、まぁとにかく、ちょいと長めの髪が額にかかりそうな感じのマークが私の好みなのである。そんなシーンの映画が公開された暁には、私は何度でも映画館に通いつめることを誓います。ゴメンナサイ、そんなこんなで私は単なるマークフェチです。ヘンタイと呼ばないで!
ザ・シューター/極大射程 スペシャル・コレクターズ・エディション
極大射程(文庫)
原作:スティーヴン・ハンター『極大射程』
監督:アントワーン・フークア
出演:マーク・ウォールバーグ /マイケル・ペーニャ /ダニー・グローバー
配給:UIP映画
ジャンル:洋画
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