シネマピア
バンコック・デンジャラス
昨年9月に公開された本作。言わずと知れたハリウッド大スターのニコラス・ケイジの最新作は、『ダークナイト』や『トロピックサンダー/史上最低の作戦』などの強敵を見事に抜いて、全米初登場NO.1に踊り出たアクション大作。だが、本作のラストはなんとも切ない。切なすぎる。
暗殺者ジョー(ニコラス・ケイジ)は世界中を転々としながら、淡々と仕事をこなしていた。その成功率は100%。だが、そろそろこの稼業から身を引くことをも考えていた彼は、最後の仕事の場所としてバンコックを選ぶ。現地の使い走りを探し、住処を確保し、すべてがいつもどおりに上手く行くように思えたが…。
本当にこの人は、いったい何歳までこんなハードな役をこなすつもりだろう? と思ったら、1964年生まれだから今年で45歳。オグシの具合からもう少し年を取っているような気がしていたが(失礼!)、またまだ油の乗ったお年頃なのか。
それにしても、出る作品出る作品のほとんどすべてがハードなアクションものというのには、つくづく驚かされる。ガテン系な肉体のブルース・ウィリスなどと違い、何かどこか“優しいオジサン”といった言葉が似合いそうな柔らかな雰囲気を根底に隠し持っているからだ。
その優しさが、本作では彼を脅かす凶器となる。自らの掟に背いてわずかなミスを犯したがゆえに、運命の歯車は瞬く間に狂い始める。そしてあの、なんとも切ないラストを迎える破目となってしまうのだ。
2000年公開『レイン』が同監督によって甦ったセルフリメイク作が本作である。登場人物の名などにその片鱗を垣間見ることができ、なんともニクい。
『スラムドッグ$ミリオネア』や『グラン・トリノ』同様、本作もアジアが舞台だ。ジャンルは違えど、異なるアジアをスクリーンで見比べてみるのも素敵な楽しみ方かもしれない。
バンコック・デンジャラス(Blu-ray)
監督:オキサイド&ダニー・パン
脚本:ジェイソン・リッチマン
出演:ニコラス・ケイジ /シャクリット・ヤムナーム /チャーリー・ヤン
配給:プレシディオ
ジャンル:洋画
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