シネマピア
G.I.ジョー
今年は気象庁から異例の異常天候早期警戒情報が発令されたほどの冷夏。だが、夏休みは夏休み。ガツンと脳天を直撃する壮大なスケールのアクション映画でこの夏を謳歌したいものだ。
ガン治療のために開発された化学物質ナノマイト。悪の組織「コブラ」はあらゆるものを破壊する力を持つこの兵器を手に入れ、世界征服を企む。各地が襲撃の危機に見舞われたとき、アメリカ政府は世界中から集められた史上最強の機密チーム「G.I.ジョー」を送り込む……。
アクション・フィギュアの原点であるG.I.ジョー。その人気シリーズはアメリカでテレビアニメとなり、日本でも1986年から放映された。その実写化作品が本作というわけだ。
はっきり言って、このG.I.ジョーというフィギュアを私は知らなかった。実際、多くの女子にとってはさほど興味のある分野ではないのが実状だろう。せいぜいアクションとCGだけでドッカーンとぶちまけてスカッとして終わる、それだけの映画だろう……などと高を括って観てみたのだが、思いっきり予想を裏切られた。確かにアクションは凄い。CGだって、文句の付け所などまったくないほどのド迫力だ。ストーリーも趣向を凝らしてあり、次作を匂わせるエンディングもさすがである。だが何よりも驚いたのは、役者陣の演技の確かさである。特に素晴らしいのは悪役ヒロイン役のシエナ・ミラー。容姿が完璧なのは言うまでもないが、組織からの命令をクールにこなす反面、物語が進むにつれ複雑になっていく人間関係とその心底の葛藤を、表情だけで見事に演じきっている。よい演技はよい演奏と同じく、それだけで心を釘付けにするのだ。
もうすぐ終わる夏休み。この夏の締めくくりとして、家族や友人、いや、おつな気分でひとりでも、ぜひ劇場で楽しんでみてはいかがだろうか。
G.I.ジョー スペシャル・コレクターズ・エディション(Blu-ray)
監督:スティーヴン・ソマーズ
脚本:スチュアート・ビーティー/デヴィッド・エリオット/ポール・ラヴェット
出演:チャニング・テイタム /シエナ・ミラー /イ・ビョンホン/レイチェル・ニコルズ/マーロン・ウェイアンズ
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
ジャンル:洋画
公式サイト:http://www.gi-j.jp/
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