シネマピア

アイアンマン2

20100528230107picm.jpgあのアイアンマンがさらにスケールアップして帰ってきた。ハリウッドらしく見ごたえのあるカーアクションやド派手な戦闘シーン、華奢なのに戦うと男よりも強い美女の出現、少しばかりのロマンテック。まるでハリウッドの百貨店と言わんばかりに王道要素を盛り込みに盛り込んだ本作。だがそれは決してイヤラシイものではなく、まるで現実かのように心にスッと入ってくる。

ロバート・ダウニーJr.演じるトニー・スターク=アイアンマンは、大企業の社長でありつつ世界を救うスーパーヒーローでありながら、その力はスパイダーマンのように何か人知の及ばない超人的存在からもたらされたものではなく、自身が自らの手で開発したパワードスーツによるものであり、近い将来に実際に現実になるかのようにも思えるリアル感。そして品行方正とは程遠い性格という人間味あふれる魅力で、親しみの持てる新たなヒーローアイコンを確立することに成功したのだ。

自らをアイアイマンと公言してしまったトニー・スターク。世界各地を飛び回り、副業として世界平和を実現してきたが、国はアイアンマンを武器と見なし、パワードスーツ没収を命じられる。トニーはスーツの悪影響が体を蝕んでいることを知るが、解決策を見出せないままそのことを誰にも明かさずにいる。一方、以前からトニーを憎んでいたウィップラッシュ(ミッキー・ローク)が一撃で金属を破壊する武器を開発し、トニーを襲撃する……。

前述のとおりザッツ・エンターテイメント的要素満載の、まさに劇場で鑑賞すべき壮大なスケール感の本作。『レスラー』で大絶賛を受けたミッキー・ロークが、そのムキムキな肉体を惜しげもなく披露し、アイアンマンを脅かす新たな敵としての魅力を存分に放つ。そして特筆すべきは、本格的アクションに挑むのが初めてというスカーレット・ヨハンソン。
経験のない彼女の起用に、当初アイアンマンファンたちは批判的だったという。だが何週間にも及ぶ過酷なトレーニングを経て、スタントなしで華麗なアクションシーンを芸術的なまでに昇華させ、アクションを越えるアクションとも言うべき美しいシーンを作り上げた。DVDが発売されたら繰り返し見たいくらいのシーンである。また、クライマックスの戦闘シーンが日本庭園で繰り広げられるというのも、美と破壊という真逆のベクトルの融合がこれもまた美しい。

ロボット研究者の古田貴之氏によれば、驚くべきことに、アイアンマンのパワードスーツはフィクションでもファンタジーでもなく実際に実現可能なものだという。他のヒーローものとは一線を画し、すべてがリアルに感じられる本作。この迫力をぜひ、劇場でご確認いただきたい。

アイアンマン2 ブルーレイ&DVDセット(Blu-ray)
監督:ジョン・ファブロー
脚本:ジャスティン・セロー
出演:ロバート・ダウニーJR. /グウィネス・パルトロウ /ドン・チードル/スカーレット・ヨハンソン/ミッキー・ローク/サム・ロックウェル/サミュエル・L・ジャクソン
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
ジャンル:洋画
公式サイト:http://www.ironman2.jp/

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エンタメ シネマピア   記:  2010 / 05 / 27

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