シネマピア
ライフ
人類史上初となる地球外生命体の発見。その生命(ライフ)を、地球に到達させてはいけない……! ジェイク・ギレンホール(『ブロークバック・マウンテン』『ゾディアック』)、レベッカ・ファーガソン(『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』)、ライアン・レイノルズ(『デンジャラス・ラン』『デッドプール』)、そして海外に於ける日本人俳優としての地位を揺るぎないものとした真田広之ら、錚々たるスター俳優たちが一挙集結。未だかつて見たこともない、新次元のエイリアン・パニック・ホラーが襲い掛かる。
無重力の国際宇宙ステーションに集められた6人の宇宙飛行士。日本、アメリカ、ロシアなど、各国から集められた精鋭たちだ。彼らの目的はただひとつ。火星で採取した生命体を、地球に持ち帰ることだ。粘菌に似た小さなそれは、最初こそ人類に従順で、好意的で、可愛いペットのようにも見えたのだが……。
製作陣が「サイエンス・フィクション(創作)というよりサイエンス・ファクト(事実)」と語るように、とにかくすべてがリアルだ。よくあるホラー映画は、何人もの人間があっけなく死に、その死を深く掘り下げる描写もない。だが本作は、クルーそれぞれの人生の背景を描き、不幸な出来事を描くにしてもただただグロいのではなく、俳優の目を、瞳の表情をきちんと捉えている。不幸なクルーを悼むシーンでも、実際に人が人の苦しみに面したときのように、丹念にその悲しみを描いている。悪い意味ではなく、ラスト以外は特別、ストーリーらしきストーリーもない。だって実際、現実世界ではそんなにドラマチックなことなんてそうそう起こらないではないか。そんなところまでがリアルに作られている。だが、そこがいい。だからこそ、いい。だからこそ、自然な感情移入が行われ、自分があたかも7人目のクルーであるかのような錯覚さえ覚え、自分の身にも危険が及ぶかのように思えてくるのだ。
エイリアンのデザインも、その性質も、現実にありえそうな形態なのに、今までにない形だ。凶暴に変異していくきっかけにしても自然な流れで、あれはただの不運だとしかいえないのかもしれない。もしクルーがあのとき、あの器具を使わなければ、大惨事にはならなかったのかもしれない。エイリアンと人類は、友好な関係を築けていけたのかもしれない。
ちなみにだが、オフィシャルの予告編には、相当なネタバレが含まれている。できれば予告編は観ず、予備知識があまりない状態で鑑賞したほうが、より多くの驚きと恐怖を得られるはずだ。ラストについても、ただ一言いうならば「素晴らしいラスト」。これ以上は楽しみを損なうだろうから言わないでおく。
ときに、ソニーは『ドント・ブリーズ』のあたりから、主要なバイヤー(映画の仕入担当)が変わったか、または仕入の方針が変わったか、または製作に口出しする担当者か方針が変わったのではないだろうか? その頃からの作品が、『メッセージ』といい本作といい、以前とは格段に面白いものが増えた(『パッセンジャー』は除く。あれはジェニファー・ローレンス目線での展開なら、もっと面白くなったかもしれないが)。本作の脚本や製作にソニーがどれだけ噛んだのかはわからないが、今後も「ソニー」という映画ブランドにますます期待できる、心底そう思える作品だった。
監督:ダニエル・エスピノーサ(『チャイルド44 森に消えた子供たち』『デンジャラス・ラン』)
脚本:レット・リース&ポール・ワーニック
出演:ジェイク・ギレンホール、ライアン・レイノルズ、レベッカ・ファーガソン、真田広之
配給: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式HP:Life-official.jp
公開:7月8日(土)丸の内ピカデリー他全国ロードショー
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