シネマピア
猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)
なぜ人類ではなく、猿がこの惑星に生き残ったのか? 1968年公開のオリジナル『猿の惑星』の世界観をもとに、リブートシリーズとして生まれた2011年の「創世記(ジェネシス)」、2014年の2作目「新世紀(ライジング)」。本作はそれに続く第3作目だ。猿が地球を支配するに至る、人類との熾烈な戦いが始まる!
猿と人類との全面戦争勃発から2年。シーザー(アンディ・サーキス)をリーダーとする猿たちの群れは森の奥深くに身を潜めながら暮らしていた。だがある夜、人間たちの奇襲に逢い、大切な家族や仲間たちが犠牲になってしまう。怒りに駆られたシーザーは、人間のリーダーである大佐(ウディ・ハレルソン)を討つべく、群れをあとにするが……。
リーダーのシーザーをはじめ、1人暮らしの老人のようによく喋る猿も、優しい性格の猿も、優秀な補佐役の猿もおり……いろんな性格があるというのは、人間社会そのものだ……、それぞれにキャラ立ちして作品にメリハリを与えている。本作でも、猿の表情はパフォーマンス・キャプチャー技術によって俳優の顔につながれ、その表情がリアルに心の内面を表している。
猿の心も人間の心も同時に持ち合わせているシーザーは、猿という性質もあり、また、生まれてからこの方、多くの悲しい現実を目の当たりにしたからか、今や寡黙な性格だ。シーザーを演じるのは、前2作に引き続き、アンディ・サーキス。キーとなるシーンではまったくセリフがなく、その表情だけで、心の動きを、何を思っているのかを、何を感じているのかを表現している。これは見事というほかない。それは他の猿を演じた役者たちも同様で、雄弁ではないからこそ尚のこと、観ているこちら側の感情を激しく揺り動かす。まったくもう、試写でエグエグ泣いちゃったじゃないか。
また、1968年のオリジナル版に人間の女性・ノバが登場しているが、本作では幼少期の彼女が登場するので、そちらも必見だ。ちなみに(ちなみではない)メチャメチャ可愛い。ノアを演じるアミア・ミラーは、8歳の時に自ら両親を説得し、この世界に飛び込んだそうだ。求める者に道は拓けるのですな。
結果、人類が息絶える原因もまた、偶然に偶然が重なり、まるでこの世界に神が実在するかのように思わせてくれる。大いなる存在は種を問わず、善を為した側に光を与えてくれるのだろう。
監督:マット・リーヴス
脚本: マーク・ボンバック、マット・リーヴス
出演:アンディ・サーキス、ウディ・ハレルソン、アミア・ミラー
配給: 20世紀フォックス映画
公開: 10月13日、全国ロードショー
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/saruwaku-g/
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
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