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【映画レビュー】デストラップ/狼狩り

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狩るか? 狩られるか? ハンター×狼×サイコパスの三つ巴! 山奥に暮らす親子を襲ったのは……? 映画評価サイトRotten Tomatoes(ロッテントマト)で驚異の94%を獲得した、数多くの評論家お墨付きのアニマルパニック・サバイバルスリラーがいよいよ日本上陸だ!

町から遠く、水道も引かれていない山奥の一軒家で暮らす夫婦とその娘。ハンターとして動物を狩り、その皮を売って生計を立てていた親子だが、ある日、狼の脅威と闘うことになる。だが狼探しを続けるうちに、狼ではない、何者かの仕業による多数の人間の遺体を発見してしまい……。

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ロッテントマトの評価基準であるトマトメーターとは、映画評論家による評価のパーセンテージだ。100%に近ければ近いほど、その作品は評論家筋から多くの高評価を受けていることになる。そこで90%台を叩き出すというのは、至難の業。人気作でも80%台だったり、70%台に留まったり、有名俳優が多数出演していて莫大な予算がかけられている人気作でも20%台や30%台という作品すらある。そんな難関を軽々と94%クリアしてみせたのが本作だ。
ちなみにロッテントマトには、トマトメーターの他にもう一つ、オーディエンス・スコアという評価基準がある。こちらは評論家ではなく、一般客からの評価だ。興味深いことに、評論家の方のトマトメーターと一般の方のオーディエンス・スコアでは、パーセンテージが乖離していることがよくある。本作のオーディエンス・スコアは63%で、まあまあ離れている方だろう。玄人受けはしたものの、一般受けには一歩及ばなかったということか。 確かに、絵面には派手さはなく、大スターたちがこぞって出演しているわけではない。とはいえキャストには『ファイナル・デスティネーション』に出演のデヴォン・サワ、『ターミネーター3』、『シン・シティ』に出演のニック・スタールといったハリウッド俳優も堂々の出演だ。63%は50パーよりは上なのだから、高評価と読んで間違いないだろう。

その本作だが、親子の職業であるハンター(猟師)が、のちの伏線回収に大いに寄与するところとなる。一見不要とも思ってしまいそうになる大尺の動物解体方法の詳細も、アイテムとして登場するオーディオプレイヤーも、おお、ここでそうなるか、と一気に腑に落ちる。
ところどころで肝心な部分の描写が足りないかな〜、と思ったシーンはあったが、すべて役者の表情で賄えてはいるので許容範囲。

自然回帰が良い事のように喧伝されている昨今だが、文明から離れ、便利さから離れ、水を汲みに行くのも一苦労のようなその生活は、果たして本当に“良い”ことなのか。ミステリー作として逸品であることは間違いない本作は、そんな深いことをも考えさせてくれる一面も持つ。実際の生活は、ナチュラル志向くらいのゆるめに留めておくのが吉だ、と。

余談だが、監督の名字はリンデン。カナダ出身だ。そして私が作詞やボーカル等の音楽活動をする際に名乗っている名前もリンデン(LINDEN)。奇遇である。ちなみに私のこの名前にはさしたる意味がない。作詞家としてメジャーリリースが決まった際、何かワンワードで可愛い名前がないかと探していたところ、紅茶のカタログにリンデン・ティーという文字を見つけ、それを使用し始めた次第。リンデンとは菩提樹の意味だそうで、欧米では古くから菩提樹の葉を煎じて飲んでいたそう。

劇場で販売されるパンフレットにはそのリンデン監督のインタビューが掲載されているので、そちらも是非併せてご覧いただきたい。

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監督・脚本::ショーン・リンデン
出演:カミール・サリヴァン(『アンシーン/見えざる者』)、サマー・H・ハウエル(『チャイルド・プレイ 誕生の秘密』)、デヴォン・サワ(『ファイナル・デスティネーション』)、ニック・スタール(『ターミネーター3』、『シン・シティ』)
配給:プルーク/エクストリーム
公開:3月29日(金)、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、新宿シネマカリテ他 全国ロードショー!
公式サイト:https://deathtrap-movie.com/ 


記:林田久美子  2024 / 03 / 09











エンタメ シネマピア   記:  2024 / 03 / 10

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