シネマピア
探偵はBARにいる
女好きで酒好きでケータイも持たないという、ワイルドでワルでちょいと一昔的な探偵を大泉洋。見た目はビンボー学生でボーッとしてるがヤるときゃヤる相棒を松田龍平。
こうした刑事や探偵モノのバディ・ムービーは数多いが、その例に漏れず、本作もその空気感が妙に心地よい傑作と相成った。
札幌・ススキノの探偵(大泉洋)は、まるで事務所代わりに使用しているかのように、毎日毎日とあるBARに通い詰めていた。そんなある日、「コンドウキョウコ」なる女性から一本の電話がかかってくる。簡単な探偵業と思い引き受けた依頼だったが、思いもよらず半殺しの目にあってしまい……。
原作は札幌在住の作家、東直己の人気シリーズ。ごぞんじの通り大泉洋も北海道出身で、薄暗い裏通りや大雪原で繰り広げられるドタバタにも、味のある北海道の雰囲気を感じさせてくれる。松田龍平はといえば、やる気あんのかないのかワカラナイ飄々としたテイのキャラをさらりと演じ、大泉との対比がなんとも絶妙。
「あれ? この人、高嶋政伸そっくりなんだけど、高嶋政伸に見えない。誰?」ってくらい別人に豹変してる高嶋政伸も、実はハマるポイント。
この役に入りこんだからこそ、私生活もあんなになってしまったのでは? と思ってしまうのは余計なお世話か。
二転三転する込み入ったストーリーも素晴らしいし、何よりスタッフはあの大ヒット作『相棒 』シリーズのスタッフ。笑えてハラハラして驚いてちょっぴり泣ける王道エンタメ。
……って持ち上げるのは、試写でちょうだいした「北海道開拓おかき(劇中、二人がポリポリバリバリ食べてるおかき)」が美味しかった(ホントーにうまかった、個人的にリピするかも)から、の提灯記事では断じてありませぬ。
原作:東直己『バーにかかってきた電話 』(ハヤカワ文庫)
監督:橋本一
脚本:古沢良太/須藤泰司
出演:大泉洋/松田龍平/小雪/西田敏行/高嶋政伸
配給:エイベックス・エンタテインメント
公開:9月10日(土)全国公開
公式HP:http://www.tantei-bar.com/
©2011「探偵はBARにいる」製作委員会
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