シネマピア
キラー・エリート
『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ 』で俳優デビューをし、『トランスポーター 』シリーズでアクションスターの地位を不動のものとしたジェイソン・ステイサム。『メカニック 』での完璧な殺し屋の演技も記憶に新しいところである。彼が主人公ダニーに扮し、スキのない凄みを遺憾なく見せつける。対するスパイク役には、『ボーン・アイデンティティー 』の殺し屋役でハリウッドデビュー、『クローサー 』でゴールデングローブ賞・助演男優賞と英国アカデミー賞・助演男優賞を受賞した、演技派クライヴ・オーウェン。そしてハンターを演じるのは、『ゴッドファーザー 』、『タクシードライバー 』、『レイジング・ブル 』と数々の作品に出演し、2度のアカデミー賞に輝いた、名優ロバート・デ・ニーロ。この3大スターの豪華共演がこの作品を引き立てる。
1980年、メキシコ。極秘ミッションに駆り出された殺し屋ダニー(ジェイソン・ステイサム)は、師匠のハンター(ロバート・デ・ニーロ)とともに、いつものように厳重な警戒を潜り抜け、リムジン内の標的を暗殺。しかし、同乗していた目撃者である10歳の少年に向かって引き金を引くことが、どうしてもできなかった。自身の限界を悟ったダニーは、危険な稼業から足を洗う。
1年後、オーストラリアの農場で恋人アン(イヴォンヌ・ストラホフスキー)と静かに暮らしていたダニーの元に、人質に取られたハンターのポラロイド写真が届く。脅迫の意図を察した彼は、2日後にはオマーンに飛んでいた。脅迫の主はオマーンの首長のひとりであるシーク・アムル。英国に反乱分子と見なされた彼は、4人の息子のうち3人をSAS(英国特殊部隊)に殺害された。その報復のためにシーク・アムルに雇われたハンターは相手がSASと知るや、身の危険を察して逃亡を試みるが、あえなく捕まってしまったのだ。ハンターを救うため、ダニーはやむをえず、師匠が遂行するはずだったこの不可能なミッションを継ぎ、実行犯であるSASの優秀な兵士3名の殺害計画を練ることになる......。
※SAS......イギリス陸軍特殊部隊"Special Air Service"の略称。第二次大戦中に対ドイツ戦における陸軍の後方撹乱部隊として組織された、世界初の特殊部隊。あらゆる状況下で非常に高い戦闘能力を発揮し「世界最強の特殊部隊」と言われる。
原作者のラヌルフ・ファインズは元SASで、なおかつオマーン国の軍隊に参加して勲章を授与されたこともあり、彼はこの小説「キラー・エリート(原題:The Feather Men)」で、SAS兵士たちによるオマーン戦争時の殺人を、"フェザー・メン"と呼ばれる元SASたちの極秘組織が事故死に見せかけて隠匿していたことを告発。しかし、英国政府はそれを事実と認めなかった。はたしてその真相は......。
派手な爆破シーンやアクションシーンの多いこの手の作品も大好きではあるが、この作品は人間の内面も描いた渋いアクション映画になっている。原作者が元SASいうだけあって、そのミッションを遂行するシーンは、プロの殺し屋のリアルがそこにある(本当の殺し屋は知りませんけど......多分そうじゃないかなと......)。ジェイソン・ステイサムとクライヴ・オーウェンがトレーニングを積んで挑んだ、リアルなアクションシーンに注目だ。まさに、男の中の男、渋さとワイルドさがこの映画の中心ではあるが、ダニーと恋人アンが暮らす穏やかな空間が、そういった闇の裏社会をいっそう引き立たせる。雇われの身となったハンター役のデ・ニーロは、映画前半に活躍の場はないが、そこは名優、最後は美味しいところを持っていきますので、デ・ニーロファンはお楽しみに!
アクション映画ファンにオススメの一本です。
原作:ラヌルフ・ファインズ『キラー・エリート』(ハヤカワ文庫刊)
監督:ゲイリー・マッケンドリー
脚本:マット・シェリング
出演:ジェイソン・ステイサム/クライヴ・オーウェン/ロバート・デ・ニーロ/イヴォンヌ・ストラホフスキー/ドミニク・パーセル
配給:ショウゲート
公開: 2012年5月12日(土) 新宿バルト9他全国ロードショー
公式HP:http://killer-elite.jp/
【Facebookページ】:https://www.facebook.com/killerelitejp
【オフィシャルTwitter】:http://twitter.com/statham_movie
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エンタメ : シネマピア 記:尾崎 康元(asobist編集部) 2012 / 05 / 10