シネマピア
最強のふたり
あの『ハリポタ 』や『パイレーツ・オブ・カリビアン 』を抑え、本国フランスで年間興収第一位に躍り出、その後ヨーロッパ各国でも第一位となり、その人気に目を付けたハリウッドがすでにリメイク権を獲得したという話題作。実話をベースに、大富豪とスラム街の無職青年が親友となって繰り広げる物語は、誰の胸にもさわやかな風を吹き渡らせることだろう。
不遇の事故から全身麻痺となり、車いす生活を送る大富豪フィリップ。スラム街出身で無職の黒人青年ドリスは、フィリップの介護役の面接を受ける。ドリスの目的は失業手当でのうのうと小銭を稼ぐことだけで、介護の仕事をする気なんてサラサラない。そんなドリスの意に反し、フィリップは彼を自分の介護役として雇うが……。
とにかく本作は、痛快の一言に尽きる。音楽はクラッシックとソウル、身なりは高級スーツとスウェット、会話は洗練された口調と下ネタ……すべてにおいて正反対のふたり。だが、実はフィリップはその不自由な暮らしの反動からか羽目を外した生活を望んでおり、一方、ドリスはフィリップの身の上に同情することもなく、その裕福な暮らしを妬むこともなく、富豪に媚びることもなく、ただただナチュラルに思ったままを口に出し、行動に移していく。スラム街出身とはいえ、スレてないのだ。フィリップはアバンチュールを求め、ドリスはもともと万人に好かれる性格を持ち合わせていた。それが結果、ふたりの心の距離を縮め、大親友となる要因となったのだ。
本作を監督したのは、バディムービーにピッタリの二人組の監督。フランス映画祭来日時のインタビューで映画製作について聞かれたオリヴィエ監督とエリック監督は「ほとんど僕一人で作りました」、「いえ、作ったのは僕です。この人はコーヒーを入れるだけでした」と冗談を言い合うほどの仲の良さ。親友としての息の合ったやりとりを体現できたのは、この監督たちがあってからこそだっただろう。
ドリスを演じたオマール・シーはコメディアンとしても活躍しており、本作でセザール賞の主演男優賞受賞を受賞。社会現象とまでになった大ヒット映画は、掛け値なしに楽しめる真実のおとぎ話。見逃す手はない。
監督・脚本:エリック・トレダノ/オリヴィエ・ナカシュ
脚本:ジョン・スペイツ/デイモン・リンデロフ
出演:フランソワ・クリュゼ/オマール・シー
配給:ギャガ
公開:9月1日(土) TOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、新宿武蔵野館他全国順次ロードショー
公式HP:http://saikyo-2.gaga.ne.jp/
『2011年・フランス年間興収No.1映画『最強のふたり』に最強サポーターズが集結!』
©2011 SPLENDIDO / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / TEN FILMS / CHAOCORP
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