シネマピア
LOOPER/ルーパー
近未来、タイムマシンを使った殺し屋稼業。標的は30年後の自分自身。『インセプション 』で揺るぎなきスターの座を手に入れたジョセフ・ゴードン=レヴィットが若かりしころを、そして大ベテランのブルース・ウィリスが30年後を演じる話題作『LOOPER/ルーパー』。「『マトリックス 』シリーズ以来の衝撃」等々、映画系各誌からも高い評価を得ている本作は、見応え十二分のSFアクション大作だ。
2074年。タイムマシンの使用は公には禁じられ、犯罪組織のみが邪魔者を抹殺するために使用していた。敵を30年前に転送すれば、ルーパーと呼ばれる殺し屋たちが始末してくれるのだ。日々淡々と仕事をこなす凄腕ルーパー、ジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)のもとに、ある日“30年後の自分(ブルース・ウィリス)”が送られてくる。引き金を引けずに彼を逃したジョーは、“今”の自分の命を守るために彼を探し回る。30年後の自分を殺すために……。
『マトリックス』というよりは、『ターミネーター 』を思わせるふしがある本作。思わぬ展開、どんでん返しに次ぐどんでん返し、込み入ったストーリー、哲学的なメッセージが観る者の心を掴む。もちろん、二大スターの競演も見応えがある。ウィリスとゴードン=レヴィットがじっくり言葉を交わすシーン、無言での溜めのシーンなど、そのやり取りはまるで実の父親とそれに口答えする反抗期の少年のようで、大いに笑える。
ネタバレになるからかどうか、または今はまだ無名だからかどうか、ある重要キャストの名前がマスコミ用パンフにも掲載されていない。先の二大スターと肩を並べるほどの目力と存在感を持つこの役者。本作を皮切りに今後の活躍が期待されるし、もし次作ができるようなことがあれば、間違いなくこの人物のその後を描くことになるだろう。
良い作品というものは、鑑賞後に何度も何度も心で反芻したくなるもの。本作は、紛れもなくそういった傑作だ。
監督・脚本:ライアン・ジョンソン
出演:ブルース・ウィリス/ジョセフ・ゴードン=レヴィット/エミリー・ブラント
配給:ギャガ、ポニーキャニオン
公開:2013年1月12日(土)丸の内ルーブル他全国ロードショー
公式HP:http://looper.gaga.ne.jp
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