シネマピア
テッド
中年になった少年と、オヤジになってしまったテディベア。ダメ人間とダメぬいぐるみは、はたして幸せな人生を手に入れることができるのか? なんと、トム・クルーズの『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 』や『メン・イン・ブラック3 』を超え、全米で衝撃のミラクルヒットを記録した本作。お気楽なのに深い感動をももたらす斬新なドタバタ・コメディは、日本でも大ヒット間違いなし!
子供のころにプレゼントされたテディベアのぬいぐるみ。友達のいなかった少年、ジョン(マーク・ウォールバーグ)は、ぬいぐるみをテッドと名付け、クリスマスの夜に願いをかける。「ねぇテッド、本当に喋って動いてよ」と。いともあっさりと願いは叶い、翌朝、テッドはまるで人間のように喋って動いていた。大好きな親友同士、幸せな一生を迎えるハズだったが、年月は残酷な現実を二人に突き付けていた。うだつの上がらない中年オヤジのジョン、そして毎日ラリってばかりいるダメ人間ならぬダメぬいぐるみになってしまったテッド。ジョンの彼女、ロリー(ミラ・クニス)はテッドを疎ましく思い、ジョンに最後通告を申し渡すが……。
いわゆるアメリカン・ジョークなるものは、アメリカ人にしか通用しないことが多い。本国で大ヒットを飛ばしたコメディでも、日本人から見ればただのバカ騒ぎなだけで、日本でウケるのは相当な難関だったりする。だが、そんなアメリカン・コメディの通説を容易に吹き飛ばすほどのクオリティを、本作は持っている。テッドの声役もこなしながら脚本も監督もやってのけるセス・マクファーレンは、長編映画としては本作でデビューとなったが、テレビシリーズ『ファミリー・ガイ』のクリエイターとして名を馳せる実力派。映画のみならず音楽も実力を発揮し、デビューアルバムがiTunesのジャズ部門で初登場第一位となるなど、マルチぶりを見せつけている。
監督がイイ監督業をこなしているからこそライター陣からイイ脚本も上がってくるわけで、テッドが発する毒舌を聞いていると、カワイイはずのこのクマが単なるエロオヤジにしか見えなくなる。旬もちゃ〜んと押さえてあり、ラストに今をときめくあの人を持ってきたところなんかは、女子も男子もツボることウケアイ。全編に渡ってバカバカしく、けれどリアルで、人生のエグ味をイヤというほど見せつけてくれ、そして思わずウルっともさせてくれる。ハリウッドを見直したくなってしまう、中身のギッチリ詰まった傑作コメディなのだ。
監督:セス・マクファーレン
脚本:セス・マクファーレン/アレック・サルキン/ウェルズリー・ワイルド
出演:マーク・ウォールバーグ/ミラ・クニス/セス・マクファーレン
配給:東宝東和
公開:2013年1月18日(金)、TOHOシネマズスカラ座他全国公開
公式HP:http://ted-movie.jp/
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