シネマピア
96時間/リベンジ
無敵の父親が帰ってきた! 2008年、リュック・ベッソンが製作と共同脚本を担った『96時間 』はその抜群のクオリティで観客の心を掴み、全米初登場1位、9週連続トップ10入りの大ヒットを記録。続編となる本作では、元CIA秘密工作員役のリーアム・ニーソンがイスタンブールで家族奪還のために走り回る。前作同様、リーアムの鋭い切れ味のアクションがスクリーンに炸裂!
警護の任務を終え、娘(マギー・グレイス)と元妻(ファムケ・ヤンセン)をイスタンブールへ迎え入れたブライアン(リーアム・ニーソン)。元妻が再婚相手と確執を抱えていることを知った彼は、元のサヤに戻ることを秘かに望んでいたのだ。異国で存分にバカンスを楽しんでいた親子3人だったが、その背後には危険が迫っていた。かつてブライアンに息子を殺された犯罪組織のボスが、ブライアンの命を狙っていたのだ……。
前作の監督は『アルティメット 』のピエール・モレルだったが、本作は『トランスポーター3 』のオリヴィエ・メガトン。本作でも前作同様、製作と共同脚本はリュック・ベッソンということもあってか、クオリティは前作と引けを取らないほどすさまじい。前作で娘を救出するために目を見張るほどのアクションを見せたリーアムが、本作でもCIAスキルの新ネタをいろいろと披露。9歳からボクシングを始めたというリーアムは長身の巨体だからこそアクションも映えるのだが、家族を思う悲しげな表情がその強さとの対比でまた光る。
娘役のマギーは、『ロックアウト 』、『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2』にも出演する売れっ子。冷静な父親とは対照的に泣いたり笑ったり感情を表に出すあたり、見ているこちらも思わず感情移入してハラハラしてしまう。本作ではカーチェイスも見どころのひとつだが、父の運転ではなく、この娘の運転。またこれが免許を取るのに一苦労しているといった設定だから、敵に追われながらの狭い路地の運転も危なっかしいことこの上ない。それが尚のこと、ハラハラ感に拍車をかけてGood。
「家族奪還」というただそれだけのストーリーなのだが、それだけだからこそ映えるこの家族愛。敵役がブライアンを狙う理由もこの家族愛なのだが、出発点が犯罪者の思考そのものなところがなんとも腹が立つ……と思っていたところ、これもラストで見事回収され溜飲が下がる。
難点を強いて言うならば、前作同様のレベルを目指したからかもしれないが、クライマックスでの格闘方法が前作を踏襲しすぎているきらいはある。また、アルバニア人なのになぜ身内同士で英語を喋るのだろう……と余計なことを考えて思考が分断されるシーンもあった。これはやはりまだ本国アメリカでは字幕文化が受け入れられにくいからなのだろう。
ただ、そうした点があるにしても充分に100点満点、またはそれ以上を付けられるのが本作。ぜひ、予習として前作を鑑賞した後に、ド迫力の大スクリーンでご覧いただきたい。
製作:リュック・ベッソン
監督:オリヴィエ・メガトン
脚本:リュック・ベッソン/ロバート・マーク・ケイメン
出演 リーアム・ニーソン/マギー・グレイス/ファムケ・ヤンセン/ラデ・シェルベッジア
公開 2013年1月11日(金)、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ他全国ロードショー
公式HP:http://www.foxmovies.jp/96hours/
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