シネマピア
エンド・オブ・ホワイトハウス
世界最強のセキュリティを誇るホワイトハウスが陥落! ショッキングな設定で話題が話題を呼び、人気シリーズ『ダイ・ハード/ラスト・デイ 』を凌ぐオープニング成績、そして今年第1位の週末興行収入となった本作。鉄板の名作『トレーニング デイ 』のアントワーン・フークア監督、『300/スリーハンドレッド 』のジェラルド・バトラー主演・製作で贈る衝撃のポリティカル・アクション。
かつての致命的な失敗により、閑職に就くことを余儀なくされた元シークレット・サービス、マイク(ジェラルド・バトラー)。大統領とファーストネームで呼びあう仲だっただけに、今の事務職ポストは彼にとってやりがいのある仕事とは言い難かった。ある日、いつもどおりデスクワークをこなしていると、窓の外で信じられない光景が繰り広げられていた。ホワイトハウスがテロリストからの総攻撃を受けていたのだ。思わず職場を離れ、応援に向かうマイクだったが……。
ならず者国家がたびたび日本海に物騒なモノを落としている昨今、本作での「テロリストは北朝鮮人」という設定はあまりにもリアルで、心底震えが来る。仮にホワイトハウスで有事があった際、軍が現場に応援に駆け付けられるまで15分かかるとの専門家の意見を踏まえ、冒頭の襲撃シーンは13分で終結。領空侵犯した戦闘機があんなに早くホワイトハウスに到達するのか? と素人アタマにははてなマークが浮かんでしまうし、裏切り者が暗黒面に堕ちた背景なんかも描いてくれればもっとグッときただろうに……と欲を言えばキリがないが、まるで『ダイ・ハード』シリーズを観るようでハラハラドキドキ存分に楽しめてしまうのは、監督の手腕、それにジェラルドの安定した存在感があるからだろう。大統領役のアーロン・エッカートが冒頭で陥る境遇も、『ダークナイト 』を彷彿とさせてなかなかニクいキャスティングだ。名優モーガン・フリーマンも、惜しげもなくガッチリと脇を固める。
アメリカでは、似たようなコンセプトの映画がほぼ同時期に公開されることが多々ある。古くは『アルマゲドン 』と『ディープ・インパクト 』、近年では『スノーホワイト 』と『白雪姫と鏡の女王 』、最新では『オブリビオン』と『アフター・アース』、そして本作『エンド・オブ・ホワイトハウス』と『ホワイトハウス・ダウン』(アメリカ公開6月、日本は8月)。なんでも、各映画スタジオは日ごろからネタ探しに懸命で、他のスタジオが面白そうな作品に着手したことを聞きつけると、負けじとばかりに追随する……なんて噂もある。そんなまことしやかな話の真偽はさておき、今回は公開時期においては本作が一歩抜きんでることに成功した。作品ジャンルとしても、本作はシリアスなアクション系、あちらはどうやら大統領をも巻き込んだバディ・ムービー風。設定こそ似通っているもののテイストはまったく違うので、「似た作品」として色眼鏡で観るのではなく、まったくの別物として、王道アクションの良さを存分に味わっていただきたいところだ。
監督:アントワーン・フークア
脚本:クレイトン・ローゼンバーガー/ケイトリン・ベネディクト
出演:ジェラルド・バトラー/モーガン・フリーマン/アーロン・エッカート/メリッサ・レオ/リック・ユーン/アシュレイ・ジャッド/ラダ・ミッチェル/アンジェラ・バセット
配給:アスミック・エース
公開:6月8日(土) 新宿ピカデリー他 全国ロードショー
公式サイト:http://end-of-whitehouse.com/
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