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パシフィック・リム
この夏話題の超大作『パシフィック・リム』。本作は太平洋(パシフィック)の深海から突如出現し、地球を絶滅の危機に陥れる未知なる“KAIJU”(日本語:巨大生命体)と、人類の英知を結集し生み出された人型巨大兵器“イェーガー”(ドイツ語:狩人)との壮絶な戦いを、ハリウッド最先端のVFXを駆使して描いたSFスペクタクル。世界中で熱狂的な支持を集める『パンズ・ラビリンス 』(06)、『ヘルボーイ 』(04、08)シリーズを手がけたギレルモ・デル・トロが監督を務めた。 自らを“オタク外人”と名乗る、日本の怪獣&ロボット大好き監督が贈る渾身の一作。
『ゴジラ 』や『ガメラ 』シリーズにワクワクした少年には見逃せない。さらにそこに“ロボット”が加わるのだから、もう見るしかない!1964年生まれの監督は、記者会見で『鉄人28号 』、『鉄腕アトム 』、『マジンガーZ 』や円谷プロの『ウルトラセブン 』、『ウルトラマン 』を見て育ったと語った。そのすべてのエッセンスと当時の記憶が最高のハリウッド技術で現代に甦ったのだ! 同世代にはたまらない作品だ。
西暦2013年8月11日午前7時――。“奴ら”は最初にサンフランシスコ湾を襲撃した。
太平洋の深海の “裂け目”から出現した、超高層ビル並みの大きさの謎の“KAIJU”により、3つの都市がわずか6日間で壊滅。ようやく軍隊が倒した時は、すでに何万人もの人命が奪われていた。 人類の存続という大義のもと、団結した環太平洋沿岸(パシフィック・リム)諸国は、PPDC(パン・パシフィック・ディフェンス・コープ)を設立。人類の英知を結集した人型巨大兵器“イェーガー”を開発した。
しかし人類をあざ笑うかのように、何体もの“KAIJU”が次々と海底から姿を現し、破壊を繰り返す。壮絶な戦いは5年、10年と長引いていった。
世界各地でイェーガーの苦戦が続く中、かつて“KAIJU”とのバトルで兄を失ったローリー(チャーリー・ハナム)は、失意を乗りこえて再び戦うことを決意。日本人研究者の森マコ(菊地凜子)とコンビを組み、旧型イェーガー“ジプシー・デンジャー”を修復して戦線に復帰する。
現在使える“イェーガー”は4機。地球の未来は彼らの勇気に掛かっている。果たして人類は存続できるのか――!?
全世界の英知を結集した人型巨大兵器“イェーガー”に乗りこむパイロットは2人。彼らが心を完全にシンクロさせた時に人間とマシンがひとつになる。そう! この操縦方法、まさにあの作品へのオマージュではないか!!(なんの作品かピンときた人は特撮ヒーローオタクだ!)というか、監督のマニアぶりは尊敬に値する。
戦闘シーンは雨だったり海上だったりと水のディテールにこだわった演出。この演出が“KAIJU”と“イェーガー”の迫力とリアルさを表現している。海上の“イェーガー”に夜間航行灯をあてる演出について「対象物自体に照明をあてすぎると、じつはそれが小さく見えてしまうんだ」と監督は説明する。“イェーガー”にあたっている照明源を制限することによって、背景を少し明るくし、そこに映し出されるシルエットにより、さらに迫力のある映像にしている。また、“イェーガー”がアップになるとボディが細かく描かれていることがわかる。これもスケール感を出す演出だ。
今回、ヒロインを演じた菊地凛子は、2006年のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『バベル 』でアカデミー賞にノミネートされるほどの実力派。『バベル』の成功に続いて、『ナイト・トーキョー・デイ 』(09)、村上春樹のベストセラー小説を映画化した『ノルウェイの森 』(10)などの作品で注目を浴び、待機作には、13年12月公開予定の日本の侍伝説をハリウッドで映画化した『47 Ronin』(キアヌ・リーブス共演)がある。記者会見で監督は、マコ役には最初から菊地を考えていたという。「彼女と初めて会ったのは8年前で、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが『バベル』のプロモーション・ツアーをしていたときに紹介された。彼女は弱々しさと芯の強さを両方兼ね揃えたユニークなパーソナリティの持ち主。今回の“森マコ”の脚本を書いている時には、凛子のことを考えながら書いた。」と語っている。凛子は監督の期待に応え、男勝りなバトルシーンや繊細な内面を見事に演じている。そして、マコの幼少期を演じた芦田愛菜の演技が素晴らしいことはいうまでもないだろう。監督に「愛菜ちゃんは天才」といわせる演技だ。ハリウッドデビューを果たした芦田の今後の成長ぶりも楽しみである。今回は脇役だが、デル・トロ監督作品『ヘルボーイ』で主役を務めたロン・パールマンがイイ味をだしている。
最後に“KAIJU”VS“イェーガー”の戦闘シーンを大迫力で楽しむなら3Dで、細部までしっかり観たいなら2Dで観賞することをオススメしたい!
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『パシフィック・リム』来日記者会見!
監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:トラビス・ビーチャム
出演:チャーリー・ハナム/イドリス・エルバ/菊地凛子/ロン・パールマン/芦田愛菜 他
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/pacificrim/
公開:8月9日(金) 新宿ピカデリー 丸の内ピカデリー他 3D/2D字幕/吹替同時公開
©2013 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND LEGENDARY PICTURES FUNDING,LCC
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エンタメ : シネマピア 記:尾崎 康元(asobist編集部) 2013 / 08 / 06