シネマピア
サプライズ
「家に誰かが入ってきたらしい」。両親の結婚記念日を祝うために集まった一家。楽しいはずの晩餐会は、予期せぬ来訪者たちにより惨劇と化す……。2011年トロント国際映画祭で公式上映されると、その衝撃の内容から世界各国で話題は沸騰し、映画各誌からも大絶賛の嵐。全世界を驚かせた絶叫×爽快スリラー映画、ついに日本上陸!
両親の結婚35周年を祝うため、しばらく使っていなかった別荘に集まってきた娘・息子とそのパートナーたち。仲がいいとは決していえない兄弟たちは、せっかく母が振る舞った手作りの料理を前にして、他愛のないことで口喧嘩を始める。そんな中、険悪な雰囲気の晩餐会の窓の外、誰かが敷地に忍び込んでくる気配を感じた来訪者だったが……。
原題は『You're Next』。「次はお前だ」の意味だ。タイトルどおりに次々と襲われる被害者たち、得体の知れない襲撃者たち。これだけならばよくあるフツーのスリラー映画であり、たいしたストーリーがなくてもただただ凄惨なシーンだけをウリにしていれば、それなりにその筋のファン層がつき、それなりの興行成績もあげることができる。だが本作は、そんなレア層でなくとも真に驚くことができ、真にエンタメとして楽しめる映画だ。兄弟同士のいがみあいや嫉妬、軋轢を適度にまぶしたプロットは知的で、宣伝文句どおり「ラストでビックリ」できるだけではない。急ハンドルと急ブレーキ、方向転換を頻繁に繰り返すストーリーは、中途段階からでも存分に驚くことができる。他のスリラー映画のように、まるで神か超能力者かのように状況のすべてを知りつくした襲撃者が、何も知らない被害者を襲うというアリエナイ設定でもない。襲撃者側のダメな部分も描いているからこそ、余計にリアルさが際立つ。『ZONBIO 死霊のしたたり 』で知られるホラー映画の伝説の女優バーバラ・クランプトンが、半ば引退していたにも関わらず台本を読んですぐに出演を快諾したというのも頷ける。今年これを見ずには終われない傑作なのだ。
本作を既存の映画に例えることも、可能といえば可能だ。また、ここ最近の我が国を騒がせているニュースを引き合いにすることだって、やろうと思えばできる。だが、もちろん敢えてそれはせずにおこう。こうした作品において、ネタバレは最大の敵。ほとんど前情報を入れない状態で鑑賞してこそ、本作を存分に楽しむことができるだろう。この真の「驚き」を。
監督:アダム・ウィンガード
脚本:サイモン・バレット
出演:シャーニ・ヴィンソン/ニコラス・トゥイッチ/ウェンディ・グレン/A.J.ボーエン/タイ・ウェスト
US配給:LIONSGATE/日本配給:アスミック・エース
公開:11月14日(木)TOHOシネマズ六本木ほか全国ロードショー
公式サイト:http://surprise.asmik-ace.co.jp
©2011 SNOOT ENTERTAINMENT, LLC
Tweet |