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1億5000万ドル送金しなければ、20分ごとに1人を殺す……。大西洋上空、何者かの手によって航空機内で繰り広げられる犯行。容疑者は全乗客、たった一人で立ち向かうのは『96時間 』シリーズのリーアム・ニーソン演じる航空保安官。全米のみならず、世界各国でも初登場1位を記録し、各誌からも絶賛を浴びた密室サスペンスアクション大作!
ニューヨーク発ロンドン行旅客機の警備のため、航空保安官という正体を隠し一般客を装って機内に乗り込むビル(リーアム・ニーソン)。だがその真夜中の大西洋上で、ビル宛に不審なメールが届く。指定口座に1億5千万ドル送金しなければ20分おきに1人ずつ殺していく、とビルを脅してきたのだ。姿の見えない敵を相手に、たった一人で立ち向かおうとするビルだったが……。
それまで『シンドラーのリスト 』等、深みを演じられる演技派として名を上げていたリーアム・ニーソンは、『96時間』シリーズで完全にアクション俳優へと変貌を遂げた。アクションをメインに売る他の俳優たちと違い、リーアムは「アタマが切れ、尚且つアクションもキレッキレの俳優」として差別化を図り、結果大成功。リーアムのアクションが骨太なのは、過去にアマチュアボクサーだった経験があることも要因のひとつだろう。頭脳も使い、そしてアクションも半端ない、還暦を過ぎたカッコイイおやじなのだ。
そんなキャラが充分に活かされるためには、ただのドンパチものではなく、計算に計算を重ねた緻密な脚本と、それを観客にアピールする大胆かつ考え抜かれた映像が不可欠だ。本作はその役目を充分に果たしていると言えよう。あのトリックは想像もつかなかったし、リーアムを不利に陥れようとする犯人の手口もまた秀逸。犯行動機にはいささか拍子抜けしてしまったが、あの程度でヤッてしまうというのが現代の闇を如実に表わしていてかえってリアルなのかもしれない。監督も脚本家も『アンノウン 』でリーアムとタッグを組んだ面々であり、今回もピッタリ息が合っている。
リーアムは、直近でポール・ハギス監督の『サード・パーソン』でも主演を果たした。こちらは同監督の名作『クラッシュ 』の感動を求めて観ると、少々肩すかしを食らうような内容であった。最近のリーアムはアクションのほうが「当たり」なのではないか。これからもますます、アクション頭脳おやじから目が離せないのである。
監督:ジャウマ・コレット=セラ(『アンノウン』『エスター』)
脚本:ジョン・W・リチャードソン、クリス・ローチ、ライアン・イングル
出演:リーアム・ニーソン、ジュリアン・ムーア、ミシェル・ドッカリー、ルピタ・ニョンゴ
配給:ギャガ
公開:2014年9月6日(土)、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
公式サイト:http://flight-game.gaga.ne.jp
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