シネマピア
寄生獣
突然現れ人間を捕食し始めた寄生生物と、右手に宿った寄生生物・ミギーとともに生きるはめになった高校生との戦いが幕を開ける! 一度はハリウッドに映画化権が渡った累計1100万部の伝説の大人気コミックが、晴れて日本に権利が戻ったことを機に『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの山崎貴監督により堂々の実写化。
平凡な一高校生、泉新一。ひょんな“事故”から右手をパラサイト(寄生生物)に乗っ取られた彼は、自らをミギーと名乗るその“右手”とともに生きていくはめになる。そのころ、犯人の見つからない不審な殺人事件がニュースを賑わすようになり――。
染谷将太演じる新一と、ミギーの声役の阿部サダヲ。この二人の掛け合いは実に自然で、CGを使っている気配はまったく感じられない。それもそのはず、ミギーはただ単にCGのみで作られているわけではなく、阿部の動きをモーションキャプチャーでミギーに取り込んで活用するという、まさに「神を細部に宿」した職人技なのだ。
原作に少しばかりのアレンジを加えてより映画としてわかりやすいアプローチになっているとはいえ、それがダメな要因にはなっておらず、むしろ映画としての成功を導き出している。何ひとつとしてツッコミどころが見当たらないほど完璧な作りと言い切ってもいいくらいだ。
アニメ『進撃の巨人』では、人を巨人が喰うというセンセーショナルな設定が大ヒットを巻き起こした。本作では寄生生物が人を喰らうのだが、こと「喰われる」という点では本作の方が先達だ。「喰われ」流行りの昨今だが、本作もまた、今年を代表する邦画のひとつとして何ひとつ遜色のない作品だ。
「人類の存在意義」という深遠な問いを観客に投げかける本作。全2部作のうちの前半なので、ぜひともお見逃しなく。
原作:岩明均「寄生獣」(講談社刊)
監督・VFX:山崎貴
脚本:古沢良太、山崎貴
出演:染谷将太、深津絵里、橋本愛、東出昌大、大森南朋、北村一輝、余貴美子、國村隼、浅野忠信
配給:東宝
公開: 2014年11月29日、全国東宝系にてロードショー
公式サイト:http://www.kiseiju.com
©映画「寄生獣」製作委員会
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