シネマピア

マッドマックス 怒りのデス・ロード

20150619cpicm.jpg滅びた文明、家族を失った男、暴力と狂気が支配する世界――のちの「北斗の拳」など、あらゆるディストピアものに影響を与えた伝説の「マッドマックス」シリーズが、30年ぶりによみがえる! かつてメル・ギブソンが演じたマックス役をトム・ハーディが演じ、ダブル主演ともいえる位置づけでシャーリーズ・セロンが女ボスを熱演。監督・脚本・製作を務めるのは、シリーズ第1作からの監督ジョージ・ミラー。齢70でありながらパワフルなアクションを炸裂させる。初作当時は少年だったが今や働き盛りのオヤジとなった世代に熱狂的な人気を誇るシリーズの、堂々の4作目!

文明は崩壊し、法も電力も水もなく、暴力と狂気がすべてを支配する世界。かつて妻と子供を失い、孤高の身で荒野をさまようマックス(トム・ハーディ)は水を独占して民を操る独裁者イモータン・ジョーに捕われるが、逃亡を図る。一方、独裁者集団の大隊長フュリオサ(シャーリーズ・セロン)は、とある計画を秘密裏に実行しようとしていた……。

20150619cpic_a.jpgマックス役に大抜擢されたトム・ハーディ。だが、本作ではシャーリーズ・セロンのほうがむしろ主役として機能しており、トム・ハーディは彼女を補佐して動き回る立ち位置だ。日本語の吹き替えキャスティングに不満を持つ向きが一部にあるようだが、登場人物たちはほとんど言葉を発しないので、心配するには及ばないだろう(私は字幕版しか観ていないが)。

シャーリーズ・セロンのその風貌にも今回は注目が集まっている。アメリカ在住の某有名映画評論家はラジオで「大女優が美貌を捨ててまで出演するスゴイ映画」との旨を仰っていたそうだが、元々彼女は2003年の『モンスター』でデブでブスの殺人犯を演じてアカデミー賞主演女優賞とゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞しており、良い役を演じるためなら自分の外見を変化させることなどまったく厭わない女優だ。本作では丸坊主の反逆者役だが、なんだかんだでトム・ハーディよりもカッコよく見える瞬間が多々ある。トムよりもシャーリーズのほうに注目が集まったとしても納得だ。

ニコラス・ホルトも特筆すべきだろう。『アバウト・ア・ボーイ』(2002)の子役であり、最近ではゾンビ映画『ウォーム・ボディーズ』(2013)での怪演も記憶に新しい。彼のドジっ子ぶりがなかなかキュートで笑えてしまう。
こうした小ネタは各所に散りばめてあり、戦場に同行して戦意を鼓舞する役割のヘビメタ軍楽隊も見ものの一つだ。

本作の舞台設定は2作目に似ており、そして2作目の伝説的悪役、ヒューマンガスに似た悪者が本作ではイモータン・ジョーとして登場する。どちらも顔にマスクを着け、見た目は似通っているが、本質は少々異なる。ヒューマンガスが腕力と演説に長けてカリスマ性を発揮していたのに対し、イモータン・ジョーはカルト的思想で宗教のように人々を洗脳し、長として君臨するからだ。また、本作でストーリーの鍵を握るのは(先のシャーリーズも含め)「女性」であり、本作を一言で表すなら「女性賛辞」の映画と言えよう。本作が2作目のリメイクではないかとの声もあるようだが、そういった点でも2作目とは趣を異にしている。

いずれにせよ、CGをほとんど使わずにワイヤーを駆使して生身の人間がぶつかりあうバトル。ストーリーはあってないようなほどに迫力のカーチェイスが大半を占める本作。往年のファンたちを満足させることは間違いないだろう。まさしくマッド(狂気)がマックス(最大)な映画なのだ。


監督・脚本・製作:ジョージ・ミラー
出演:トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト、ヒュー・キース・バーン
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:2015年6月20日(土)、新宿ピカデリー・丸の内ピカデリー他2D/3D & IMAX3D 公開
公式サイト:http://www.madmax-movie.jp/ 
 

©2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED





 










エンタメ シネマピア   記:  2015 / 06 / 18

あそびすとショップ

美味良品 おとりよせしました

編集長!今日はどちらへ?

アラカン編集長モンブランを行く!

BigUp

asobist creator's file

  1. はいコチラ、酔っぱライ部
  2. ikkieの音楽総研
  3. 旅ゆけば博打メシ
  4. うららの愛♡Camera
  5. Tomoka's マクロビカフェ
  6. 三笘育の登山は想像力
  7. 憎いウンチクshow
シネマピア
おもいでリストにエントリー確実、話題の映画!
【映画レビュー】海の沈黙

世界的な画家の展覧会で突如浮かび上…

旅塾

▲このページのトップへ