シネマピア
キングスマン
ロンドンの高級紳士服店、その名も「キングスマン」。だがその実体は、世界最強のスパイ機関だった! コリン・ファース扮する、デスクワークが似合いそうなスーツ姿のコテコテイギリス紳士が、意表を突いたキレッキレのアクションで大人から子供まであたりかまわず「ギャップ萌え」に引きずり込む! スパイものの名作にオマージュを捧げつつ、ありそでなさそなワクワクものの秘密兵器の数々、そしてここ最近は久しくお目見えしなかった、とにかく明るいお笑い系スパイ・アクション……そうした要素が世界中を魅了し、興収4億ドルのメガヒットを記録したダントツの傑作だ。
「キングスマン」のエリートスパイ、ハリー(コリン・ファース)は、欠員の補充のためにエグジー(タロン・エガートン)をスカウトする。庶民の生まれで無職のエグジーは、映画の中のようなオハナシにしばし呆然とするが……。
完璧。本作を評するのにこれ以外適切な言葉はないだろう。丁寧に、そして観客にちゃんと分かりやすく張り巡らされたたくさんの伏線、それがひとつも漏らされることなくすべて回収される。今回が初の本格アクションとなったコリン・ファースだが、初とは思えない、そしてそのお上品な風貌からは想像できない肉感的な立ち回りは圧巻の一言。特に、某場所で繰り広げられる長い長いアクションシーンが、ワンテイクで撮られたものだなんて! また、主役のエグジーを演じたタロン・エガートンと同僚のカワイイ女子ソフィー・クックソン、この主要な役どころの2人が本作でなんと映画初出演。そして悪役の右腕として活躍する義足の黒髪美女ソフィア・ブテラもマドンナのバックダンサーを務めるなどダンサーとしては一流だが、先の2人同様、本作が本格的なハリウッドデビューというのも驚きだ。監督曰く「僕は監督の仕事の8割がキャスティングだと思っている」のだそうで。この人、マジで天才だわ……と、率直に思ってしまった。個人的には今年で1番の映画と断言できる。うん、断言しちゃう。まだ今9月だけど。
スパイものに詳しい人にとっては、ちりばめられたオマージュの数々がため息ものだろう。逆に詳しくなくてもそんなの関係なしに十分に楽しめる、まるで映画の教科書のような極上のエンタメ作。是非、大劇場の大スクリーンでご堪能あれ。
原作:マーク・ミラー『キングスマン:ザ・シークレット・サービス』
監督:マシュー・ヴォーン(『キック・アス』、『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』)
脚本: マシュー・ヴォーン、ジェーン・ゴールドマン
出演:コリン・ファース、マイケル・ケイン、サミュエル・L・ジャクソン、タロン・エガートン、マーク・ストロング
配給: KADOKAWA
公開: 9月11日(金)全国ロードショー
公式サイト:kingsman-movie.jp
© 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation
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