トップページ > エンタメ > ikkieの音楽総研
ikkieの音楽総研
第5回 バンド編 RATT――勘違いから生まれる"恋"もあるわけで
2010 / 08 / 10
暑い日が続いてますねー。暑い夏を乗り切るには大音量のロックにビール! これに限ります。今回紹介するバンドもきっと、夏を乗り切りるのに役立ちますよ。自信を持っておすすめしましょう、「RATT」です!
「RATT」は84年にメジャーデビューし、現在までに全世界で3000万枚以上のアルバムセールスを記録しているLAメタルの代表的バンドで、当時は「MÖTLEY CRÜE」と双璧をなす人気を博していました。一度は解散したものの、現在も根強いファン(俺とか)の支持を得て活動中です。
俺が『RATT』を初めて聴いたのは中学生のころで、『MTV』でPVを観たのが最初です……といま書いたものの、それより前にも聴いたことがあった! いま思い出しました(ホントに)。ボブ・ゲルドフ(「BAND AID」や「LIVE AID」の発起人)のバンドが聴きたくて、「たしか“なんとかラット”とか“なんとかラッツ”って名前のはず……」と、借りてきたのが、「RATT」のファースト・アルバム……ねえikkie、“なんとか”が付いてないよ。
で、聴いてみたらニュー・ウェイヴのはずがハードロックだし、よく見るとジャケットにはボブ・ゲルドフが写ってないし(当たり前)、「違うバンドやん!」と、そのときはそのまま返したんだけど、そのうち「RATT」が何者かを知り、また借りてきたんだっけ。懐かしい。
「RATT」は80年代当時、ハードながらもキャッチーな楽曲と、華のあるルックスで大人気でした。ステージングも派手で、ライヴを模したPVはとにかくカッコ良かった! その見栄えのせいなのか、当時のバンドの中でも特に女性ファンが多くて、ライヴの度にステージにランジェリーが投げ込まれたとか(投げてどうするんですかね? お互いに)。
じゃあ男には人気が無かったのか、というと決してそういうことはなくて、男性ファンももちろんたくさんいました。特にバンドの二人のギタリスト、ウォーレン・デ・マルティーニとロビン・クロスビーのツイン・ギターはスリリングで刺激的で、ギターキッズの憧れの的でした。俺も一生懸命コピーしたよ! 半分も弾けなかったけど。
ただ、哀しいかな、「RATT」は「MÖTLEY CRÜE」ほど人気が長続きせず、90年代には人気も低迷し解散。その後再結成するも、発表されたアルバムは全盛期とはほど遠い出来。メンバーチェンジを繰り返し、メンバー同士のバンド名をめぐる裁判があったりと、落ち目になっていく一方でした。そして、ロビン・クロスビー(当時すでに脱退していた)の死……。これも、ドラッグ注射の回し打ちによるHIV感染が死因らしく、その時点でもう耳を塞ぎたくなるような話だったのに、その後もメンバー同士が悪口を言い合ったりしているのが雑誌に載ったり。ファンにしてみれば、もうやめてくれよう……って感じでした。
正直なところ、そのころには俺にとってもう過去のバンドになっていたので、その後の動向もチェックせずにいたんだけど、「RATT」は地道にアメリカ中をツアーし続け、活動を継続。そして、俺の知らないうちに復活を遂げていたのです! そんなこととはつゆ知らず、あまり期待せずに観に行った07年のライヴが凄かった! 「昔は武道館でやってたのに……」と、会場の小ささに寂しさを覚えたのも束の間、昔と変わらぬ迫力あるライヴに胸が熱くなった! サウンドには昔よりさらにエッジがあり、往年の名曲の魅力も、LAの不良親父たちのカッコ良さも健在だったのです!
そしてそして、今年、なんとニューアルバム『INFESTATION』を発表! これが全盛期を彷彿させる素晴らしい内容! やれば出来るじゃん(俺は何様?)! もっと早くこのアルバムを出してくれれば、ロビンが生きていれば……と、いろんなことを考えてしまうけど、いろんな出来事を乗り越えてこその、このアルバムなのでしょう。
そんなわけで、今回紹介するのは80年代の曲ではなく、ニューアルバムの1曲目! 『Eat Me Up Alive』!!
「またライヴが観たい!」と思ってたら、なんと10月の「LOUD PARK」に出演だって! アラフォーに長時間のメタルフェスはキツイなあ……。
あ、そうそう。
ちなみにボブ・ゲルドフのバンドは「BOOMTOWN RATS」です。遠い。
Tweet |