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第143回 ライヴレポート編 WHITESNAKE――DEEP PURPLE時代の名曲が披露された歴史的ライヴ! (後編)
2015 / 11 / 18
前置き抜きでいきましょう! 10月30日、パシフィコ横浜国立大ホールで行われたWHITESNAKEのライヴレポート後編です!(前編はこちら)
DEEP PURPLE時代のレアな楽曲が続き、オールドファンが狂喜する中、続いてプレイされたのはWHITESNAKEライヴの定番曲『Ain't No Love In The Heart Of The City 』だ。大ブレイク以前の曲だけど、このWHITESNAKEの魂とでもいうべき楽曲はファンにも広く浸透していて、デイヴィッド・カヴァデールにマイクを向けられた観客は大合唱で応える。
「青コーナー、レブ・ビーチ!」という紹介のあと、レブが一人ステージに残りギター・ソロタイム。やはりレブは上手い! タッピングやアーミングなどの派手なプレイに目も耳も奪われてしまいがちだけど、どんなプレイでも常にクリアに聴こえるテクニックは呆れるほど凄い。赤コーナー、ジョエル・ホークストラ はミケーレ・ルッピのキーボードに合わせてメロディアスなプレイを披露。レス・ポールらしい図太い音でプレイされるブルージーな泣きのギターに、胸が熱くなる。NIGHT RANGERではジェフ・ワトソン の代役というイメージが強かったけど、WHITESNAKEではジョエル自身のプレイを前面に出せているんじゃないかな。ジェフのトレードマークだった8フィンガーズタッピングも登場したものの、そういったトリッキーなプレイ以外にこそ、ジョエルの個性を感じた。ここまで凄いギタリストだとは思っていなかったなあ。正直、驚きました。
続いてプレイされたのはDEEP PURPLEの名曲『Mistreated 』。この曲はリッチー・ブラックモアとデイヴィッドの共作で、リッチーは「ギターが主役だ」、デイヴィッドは「ヴォーカルが主役だ」と、それぞれが主張していたけど、俺はギターとヴォーカルの両方が主役になれる曲だと思う。デイヴィッドのヴォーカルも、レブとジョエルのギターも十分に堪能した。そしてマイケル・デヴィン(B)のブルージーなハーモニカから、『You Fool No One 』。DEEP PURPLEのオリジナル はファンキーなリズムが特徴的だったけど、WHITESNAKEバージョンではキーが下がったこともあり、かなりヘヴィな印象。そして、デイヴィッドに加えてレブにジョエル、マイケルとミケーレの4人の分厚いコーラスが楽曲に華を添えていた。WHITESNAKEには今までも必ず歌えるメンバーがいたけど、コーラスに関しては今のラインナップが最強かもしれない。そして大ベテラン、トミー・アルドリッジも忘れちゃいけない! 曲の途中にはトミーのドラムソロが挿入され、65歳とは思えない引き締まった体から繰り出されるパワフルなドラムに客席は大いに沸いた。
『Soldiers Of Fortune』
デイヴィッドはやっぱりこういう歌がいいね。
ジョエルのアコギも素敵。
曲が終わると、デイヴィッドがボストンだのミシシッピだのと、それぞれの出身地を交えつつメンバー紹介。しかし、レブはなぜか六本木出身に......(笑)。メンバー紹介に続いて、ジョエルがアコースティックギターを手にメランコリックなフレーズを爪弾く。DEEP PURPLEの名曲『Soldier Of Fortune 』だ。こういったスローナンバーでのデイヴィッドの抑えた歌声は震えるほど素晴らしい。「Yokohama, I have a question......Is this love?」とのデイヴィッドの問いかけでプレイされたのは当然、名バラード『Is This Love 』。この曲でもデイヴィッドのディープボイスが胸に沁みる。ギターソロはジョエルがオリジナルのメロディラインをなぞりつつ、より情熱的にプレイ。素晴らしい! そして『Storm Bringer 』をまさに嵐のように激しくプレイし、それに続いたのは『Here I Go Again 』だ。何度聴いたかわからないこの曲だけど、やはり聴くたびに涙腺がゆるんでしまう。そしてライヴは一旦終了。
客席は当然、盛大なアンコールでバンドを呼び戻す。「君たちの長年のサポートと歓待に1,000の感謝を」というデイヴィッドの謝辞に続いて『Still Of The Night 』の爆発的なイントロがプレイされると、悲鳴にも似た歓声が起こった。これが最後の曲だと観客みんなが察している。『Burn』だけではなく、この曲もロック史上に残る名曲だ。そして、タメにタメたエンディングでついにライヴ終了......。もっと聴きたい、あれもこれもやってない、とは毎回思うけど、今回はDEEP PURPLEのレア曲がかなり聴けたし、選曲は満足出来たかな。
デイヴィッドの声は年々出なくなってきているとは思う。それでも変に枯れたりせず、パワフルにロックし続けているデイヴィッドは本当に魅力的だった。新加入のジョエルも予想以上に素晴らしく、見事にダグ・アルドリッチの穴を埋めていたように思う。WHITESNAKEには今後も大いに期待したい! 素晴らしいライヴだった!
『Storm Bringer』
DEEP PURPLEバージョンよりもかなりヘヴィ!
10/30 パシフィコ横浜国立大ホール セットリスト
1. Burn
2. Fool For Your Loving
3. Love Ain't No Stranger
4. The Gypsy
5. Give Me All Your Love
6. You Keep On Movin'
7. Ain't No Love In The Heart Of The City
8. Mistreated
9. You Fool No One
10. Soldier Of Fortune
11. Is This Love
12. Storm Bringer
13. Here I Go Again
En
14.Still Of The Night
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