ikkieの音楽総研

第178回 洋楽編 DAVID BOWIE ―― 孤高のアーティスト、デイヴィッド・ボウイの軌跡を辿る大回顧展「DAVID BOWIE is」......ただいま開催中!

2017 / 02 / 28

bowie_is_01b.jpg先日、寺田倉庫G1ビルで開催されているデイヴィッド・ボウイ大回顧展、 「DAVID BOWIE is」 を観てきました! 「DAVID BOWIE is」は、デイヴィッド・ボウイのステージ衣装や楽器のほか、直筆の楽譜や歌詞など、300点以上のアイテムが展示される大規模な展覧会です。2013年に英国で開催されて以降、世界9都市を巡回していますが、アジアでの開催はここ日本のみ! これは観ないわけにいかないでしょ!

天王洲アイル駅から徒歩5分ほどの寺田倉庫G1ビルは、倉庫というよりもモダンな美術館といった趣き。元々こういった展覧会や展示会を行う場所として作られたんじゃないのかなあ。それでもあえて倉庫と名乗るのがオシャレ、みたいな。入場予定の14時にはまだ時間があったので(2時間ごとに入場時間が分けられています。滞在時間の規制はなし)、まずは会場の1階にあるカフェ&バーへ。壁にはボウイのアルバムジャケットの写真や、ジャケットを模したペイントなどが飾ってあるし、BGMももちろんボウイ。待ち時間を潰すにはぴったりのスペースです。DJブースもあったし、何かイベントが行われたりもするのかも。

14時ちょうどに会場へ向かうエレベーターの前に行くと、既に10人ぐらいが順番待ち。すぐ入れないのか......とがっかりしつつ、しばらくして後ろを振り返ると、いつの間にか50人以上の行列が! 10分ほど待って乗り込んだ大きなエレベーターを降りてからもさらに並んだし、まるでディズニーランドにでも来ているかのようでした。ようやく順番が来て展示会場に入ると、裾が扇のように広がった例の山本寛斎デザインのジャンプスーツに迎えられる。写真で何度も見ていた伝説的な衣装が目の前に......! まわりに人がいなかったら叫んでいたと思う。本物だ!  

『David Bowie is』
 デイヴィッド・ボウイ大回顧展の予告映像です。
 


展示会場内には薄暗い照明の中にライトアップされた衣装などがスタイリッシュに飾られていて、さすがデイヴィッド・ボウイ展! と感心。展示はおおむね年代順で、10代のボウイから近年のボウイまでを順に見て回る感じなんだけど、場所を移動すると、貸し出されたヘッドフォンから展示に合わせた音楽や音声が流れてくるんだよね。美術館や博物館でも音声ガイドの貸し出しがあったりするけど、今回は単なるガイドではないし、音楽や音声もBGMとして会場に流れているわけではなく、ヘッドフォンで聴くぶん、より濃密に、より個人的に、ボウイの世界観を感じられたように思う。

『Blue Jean』
 この衣装が飾ってあったのよ! 
 


歌詞やステージコンセプトについてのアイディアが書かれたたくさんのメモ、衣装やジャケットのアイディアをスケッチしたもの、直筆の楽譜、ボウイ自身の蔵書、これまで見たことがなかった写真、ブライアン・イーノ から送られたというシンセイサイザー......、そのどれもが興味深いものだったけど、やっぱりステージ衣装に目が行く。なかでも『Blue Jean』 のPVで着ていた衣装や、ライヴエイドで着ていた衣装を見つけた時には涙が出そうになった。デザイン的にも、ロック史的にも、もっと凄い衣装も飾られていたわけだけど、俺がボウイに初めて出会った少年時代、夢中で観ていたビデオでボウイが着ていた衣装なんだもの。実際に着ているところを生で観たかった......。

ボウイはアルバムやツアーごとにコンセプトがきちんとあって、衣装もそれに合わせたものを毎回デザインしている。もちろんボウイ以外のミュージシャンにもそういう人はたくさんいるし、個性的だったり前衛的だったりする衣装を着ている人もいるけど、衣装を見るだけであのアルバムの時の衣装だ、とわかる人は少ないよね。こういった展覧会が実現したのも、デイヴィッド・ボウイならでは。最近、THE ROLLING STONES も海外で展覧会をやっているけど、それとはちょっと意味合いが違うはず。たとえストーンズゆかりの貴重な品々を見ることが出来たとしても、ファン以外にはあまり響かないのでは? 「DAVID BOWIE is」は、ボウイのファン以外が観ても感銘を受けるはずだ。一人の偉大なアーティストと、そのコラボレーター達が残した素晴らしいアートの数々......。その軌跡を間近で観られる幸せを、ぜひとも感じてほしいな。

『Heroes』
 ボウイのライヴ映像を観たのはライヴエイドが初めてでした。
このスーツが展示してあったんだけど、保存状態は良好ながらも、
少し色褪せていたりもしていて、それがまたグッときました......。
 


どのセクションも素晴らしかったけど、ショウ・モーメントというセクションが特に良かった。数々のステージ衣装のほかに、四方を囲む大きなスクリーンがあって、ボウイのライヴ映像が、高音質かつ大音量で流れている。まるでライヴ会場にいるような気分になったし、その場を去り難かった......。ここが展示の最後のセクションだったから、ものすごく後ろ髪を引かれる気分で会場を後にすることになったよ。「DAVID BOWIE is」の開催は4月9日まで! ファンの人はもちろん、そうでない人も観たほうがいいよ。少しでも気になっていたら、絶対に行くべき。俺は近いうちにまた行くつもりです。

bowie_is_02b.jpg

※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから  アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/ 













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