ikkieの音楽総研

第190回 俺らの音楽編 ―― 耳コピのすすめ〜その2

2017 / 08 / 17

ikkie170817_002.jpg 出口雅之 さんとのライヴ、無事終了しましたー! 今回はデイヴィッド・ボウイINXS T.REX THE DOOBIE BROTHERS の曲をプレイしたんだけど、子供のころから好きだった曲ばっかりですごく楽しかったなあ。一流のミュージシャン達と出口さんの歌でデイヴィッド・ボウイをやる機会なんてそうそうないよね。ほんとに幸せなひとときでした。ギター弾いてて良かった! って思ったもの。観に来た人もラッキーでした! さて、今回の音楽総研は前回予告したとおり、「耳コピのすすめ〜その2」! ……そういえば、今回のライヴも耳コピが出来なかったら参加出来なかったよね。

前回は耳コピをすると耳が鍛えられると書いたけど、今回は耳コピをしないとどうなるのか? というテーマを中心に。ギターはピアノなんかと違って独学で始める人がすごく多い楽器だと思うし(俺も独学です)、それで弾けちゃうのがギターの良いところ。ただ、習得の仕方によってはすごく音痴なギタリストだったり、音楽的な順応力が低いギタリストになったりしちゃうんだよね。もともとピアノなんかを習っていて絶対音感があったりすれば独学でも問題なく音楽的なプレイが出来ると思うんだけど、ギターって、習い事には縁のないようなヤツが始めることが多いしね。最初は勢いである程度は弾けるようになっても、そこから本当の意味で音楽を演奏するために必要なことに気付けるかどうかで、本物のギタリストになれるかどうかが決まります。大げさなようだけど、俺はそう思っているよ。

ギター用の楽譜には、ギターの弦と同じ6本の線上に押さえるフレットが数字で書いてあるタブ譜というものがあるんだけど、これは五線譜が読めなくても簡単にどこを押さえるのかがわかるという優れものでね。ギター雑誌や教則本には必ずといっていいほど載っているし、かくいう俺もこれでギターを覚えました。

ikkie170817_001.jpg ギターはピアノとは違っていろんなポジションで同じ音が出る楽器だから、このタブ譜があればギターならではの押さえ方がわかるし、場合によっては五線譜より正確にオリジナルに近いポジションで弾けるという。ただ、あまりタブ譜に頼り過ぎていると、自分が何弦のどのフレットを押さえているのかはわかっていても、何の音を弾いているのかわからない……なんてことになりかねないんだよね。耳コピをしていれば、この音はどこを押さえると出るんだ? と、ポジションを探っているうちにだんだんとポジションと音が一致していくようになるんだけど、タブ譜の場合は押さえる場所だけを覚えて、耳で音を覚えなかったりしてしまう。これじゃあ、耳は育ちません。

クラシック畑の人にはすごく驚かれるけど、ギターは楽譜が読めなくても、自分が何の音を弾いているのかわからなくても、ちゃんと弾けるようになる楽器です。スケール(音階)のポジションさえ覚えれば、アドリブだって弾ける。個人的には、ロックやブルーズを演奏するなら、たとえ自分が今弾いている音名がわからなかったとしても、音が外れていなければ(または外れているのがわかっていれば)それでいいとは思う。ただ、この弦のこのフレットを押さえるとこの高さの音が出る、っていうことは耳で覚えておかなきゃダメだ。それもわからずに弾くのは、目隠しをして歩くようなものじゃないかなあ。上手いギタリストほど耳が良いです。プロの中にも楽譜が苦手な人はいるけど、それでも、知らない曲でも聴けばすぐに演奏が出来るって人がほとんどだよ。俺なんかはまだまだ。プロの現場に行くと、すごく劣等感を覚えます……。

ikkie170817_003.jpg 前回、ある程度ギターが弾けるようになったらコピーをしなくなったと書いたけど、それ、実はランディ・ローズの影響もあるんだよね。ランディが「人のフレーズをコピーして、どうやって自分のフレーズにいかすんだい?」とインタビューで話しているのを読んで、若かった俺はその言葉に感化されちゃったのです(ランディはギターがちゃんと弾けるようになる前はたくさんコピーしていたって言っていたのに、俺はなぜだかそこを読み飛ばしていたという……)。それで自分なりのフレーズを作ることに夢中になったんだけど……これね、よっぽど頑張らないと、自分が弾けることしか弾かなくなっちゃうんだよ。人の演奏をコピーしてそのまま弾いたらただのパクリだけど、先人の演奏を真似ることで自分にはない発想や技術を知ることが出来るし、それは自分自身の引き出しを増やすことにもなる。英単語をたくさん覚えたらボキャブラリーが増えるのと同じ。ボキャブラリーが増えるとヒアリングも上手になるでしょ? ギターだってそうなんだよね。あ、ここはあのパターンだな、とか気付くようになるし、耳もよくなる。

ギターは特別な教育を受けなくても、本人のやる気さえあればある程度は弾けるようになるという、非常に敷居が低い楽器です。ギターを弾いたことがない人は、気軽に始めてみてほしいな。ただ、目隠しして、手探りのような状態でギターを弾くより、自分が何を弾いているのかきちんと理解したうえで弾けるようになると、より楽しいってことを付け加えておきます。そして、そうなるには耳コピがとても役に立ちますよ! 


※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから  アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/ 













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