ikkieの音楽総研

第199回 洋楽編 UFO――エキセントリックな天才に振り回され続ける英国の老舗バンド

2018 / 01 / 09

180109UFO1.jpg あそびすと読者の皆様、謹賀新年でございます! 毎年毎年、新年の挨拶のたびに書いている気もしますが、明るいことばかりとは言えないこの世の中(去年は特にキナ臭いニュースが多い年でしたよね)、音楽総研が少しでも皆様を明るい気持ちに出来たらいいな、と思っております。今年もよろしくお願いします!

去年一年を簡単に振り返ってみると、ミュージシャンikkieとしては、残念ながらあまりライヴをやれなかった年でした。それでも久しぶりに出口雅之さんとライヴをやったり、女性シンガーとの新しいユニットを本格始動したりもして、それなりに充実した一年だったのでは、と思っています。今年は去年以上に表立った活動を皆さんにお知らせ出来るようにがんばりますので、応援してくださいねー! 音楽ファンとしては1月のGUNS N’ ROSESから11月のHUEY LEWIS AND THE NEWSまで、毎月誰かしらの来日公演に行ったり、友人知人のライヴを観に行ったりと、ほんとにたくさんのライヴを観た一年でした。去年もまたレジェンドたちが亡くなった年だったし、観られるライヴは出来るだけ観たいと思っているんだよね。そして、そのたくさんのライヴを観た中で、ダントツで凄かったのはマイケル・シェンカー! あまりに凄くて、ライヴを観てからしばらくはマイケル・シェンカー漬けだったもの。そんなわけで、新年一発目の音楽総研はマイケル・シェンカーが在籍していたUFO です! しかし、2018年にUFOって……。音楽総研は今年も飛ばしていきますよう。

180109UFO2.jpg UFO(ユー・エフ・オー)はイングランド出身のロックバンド。フィル・モグ(Vo)とピート・ウェイ(B)を中心に結成され、70年にデビューしています。エディ・コクラン のカヴァー、『C’mon Everybody 』が日本とドイツでヒットしていたものの、英国やアメリカではさほど話題になっていなかったというUFOが世界的に成功するのは、失踪してしまった初代ギタリストの代わりに、SCORPIONSのギタリストだったドイツ出身のマイケル・シェンカーが加入してから。それまでのUFOも決して悪いバンドではなかったとはいえ、マイケル加入後のサウンドとは大きな差があって、聴き比べてみても同じバンドだとはとても思えない。フィルを初めとする他のメンバーたちとの相性も良かったんだとは思うけど、桁違いの才能を持ったマイケルが加入したことにより、UFOは激変! 天才が入るとこうも変わるのね……と、マイケル加入前のUFOを聴いた時に思ったものです。

加入当時はまだ18歳という若さで、英語もほとんど話せなかったというマイケルは、メンバーから孤立し、そのストレスからアルコールやドラッグに溺れてしまうんだけど、自らの心の痛みを見事に音楽に昇華させ、悲哀に満ちた泣きのギターが乗った、数々のドラマティックな名曲を送り出す……なんて書くと、マイケルだけが凄いかのように聞こえるかもしれないね。でも、マイケルはおそらくヴォーカルメロディを書く人ではなかったはずだし、ブリティッシュロック然とした湿り気のある切ないメロディを書いたのはフィルのはず。他のメンバーたちもマイケルと出会ったことによって、その才能を開花させたんじゃないかな。

『Rock Bottom』
わたくしのフェイヴァリットソングです! 
74年ってことはマイケルはまだ19歳? 恐ろしい子……。
 


俺はUFOより先にTHE MICHAEL SCHENKER GROUP を聴いていたものの、不幸な出会い方(?)をしてしまい、当時はファンにならず……。後追いで聴いたUFOでマイケルのファンになったんだよね。音楽的にもUFOのほうが断然好み! 去年観ることの出来たMICHAEL SCHENKER FESTは本当に最高だったけど、ここにフィルもいてくれたらなあ、なんて思っていました。マイケルは78年の脱退後にも何度かUFOに出戻りしているんだけど、精神的に不安定だったマイケルは、ライヴの途中でステージを降りてしまうといった問題行動を繰り返しており、02年の脱退以降、UFOへの復帰はない。まあ、そんなわけだからフィルが参加するのは難しいと思うんだけど、いつかマイケルとフィルの共演を観てみたいなあ。

『Lights Out』
フィルの歌声を聴くたび、これぞブリティッシュロックだと感じます。
良い声だなあ。そう、UFOはマイケルだけのバンドじゃないんですよ。
動画冒頭にはIRON MAIDENやDEF LEPPARDのメンバーたちが登場。
 


マイケルがいない間もUFOは活動を続けていて、後任には実力派のギタリストが何人も参加している。相変わらず良質の楽曲を発表し続けているし、現在のギタリスト、ヴィニー・ムーアなんて、テクニック的にはマイケルより数段上だと言っていい。それでも、マイケル在籍時を超える成功は収められていないし……うーん、正直なところ、やっぱりマイケルがいないとなあ、と思ってしまう。バンドとしてはマイケルがいない時期のほうが長いわけだし、マイケルに振り回されるのはもうたくさん、なんて思っていそうだよね。それなのにいつまでもマイケルを求められるのは辛いだろう。外野が余計なことを言うな、というのは百も承知ですが……、それでももう一回マイケルとやってくれませんかね。ほら、今年は名盤『Stranger in the Night 』の発売40周年だし、なんて言ってみたりして。

『Try Me』
ロック史上に残る感涙ものの名バラード!
切なくも男らしいメロディがたまんねーっす。現メンバーでの素晴らしいライヴバージョンもあるけど……やっぱりマイケルのギターを聴いてもらいたくてこちらをご紹介。音声のみです。
 




※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから  アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/ 













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