ikkieの音楽総研

第25回邦楽編 LADIA
――金沢生まれの金沢育ち、俺たちの憧れだったLADIA

2011 / 05 / 17

今回はちょっと（かなり？）マニアックなバンドをご紹介したいと思います。俺の友達で、もう解散しちゃってずいぶん経つんだけど……「LADIA（レディア）」です！

LADIAは俺と同じ金沢出身で、ヴォーカル＆ギター×二人というメンバー構成の女性バンド。デビューは92年じゃなかったかな。解散までに三枚のアルバムを発表しています。

貴重な3アルバムをご紹介。
まずは『Year of 1989 』彼女たちはデビュー前、それこそ高校生のころから金沢では有名で、俺が初めてその存在を知ったのも、地元のテレビ番組でした。もともとは三人じゃなくて、ベースもドラムもキーボードもいたんだけどね。
歳は俺の二つ上なんだけど、俺が中三のころだったかなあ……、カッコかわいいお姉さんたちが、とても完成度の高いオリジナル曲をやっていて、すぐにファンになったもんです。しかも全員が高校生で、二つしか歳が違わないと聞いて、ますます「すげー！」と思ったっけ。それからしばらくは、俺は当時のバンドメンバーと追っかけ（笑）。LADIAが出る！と聞けば、ライヴハウスだの、文化祭だのと、いろんなところへ観に行きました。で、ピックもらったり、一緒に写真を撮ってもらったり。今となってはそんなの別に……とかいうと怒られるかしら（笑）。

それから俺も高校に入って、バンドもそこそこ名前が売れてきたので、LADIAと同じイベントに出たり出来るようになり、練習スタジオも同じ場所にして（笑）、めでたく仲良くなれました。LADIAはそのころにはデビューの話が出てたのかな？　金沢には他にもうまいバンドがいたけど、もうね、別格だった。メジャー感があるっていうか。地元の有志が集まって「凄いイベントをやろう！」と、イベントをやったりしたんだけど、もう、LADIAだけプロ並み！　正直、完敗……。

『HANDSOME 』で、俺は、LADIAのデビューよりも先に上京してたんだけど、俺は、東京でバンドをやるんだ！って想いだけで、実際は生活するので精一杯。LADIAが上京してから、レコーディングの裏話や、業界の裏話を聞かせてもらったりと、彼女たちの活動を少し覗かせてもらって、プロの世界を少し垣間見たような気持ちでいたけど、あのころ話してくれたいろんなことが、ちゃんと理解出来るようになったのは、ずいぶん経ってからだったかも。
正直、悔しくもあったし、素直じゃなかったし（苦笑）。でも、ほんとにたくさん話した。朝まで長電話したり、朝まで飲んだり（笑）。LADIAは歌詞が凄く良くてね、歌詞についてはほんとにたくさん語り合ったっけ。悲しいと切ないとは違うとか……あれ、青いな（笑）？

そうだ、肝心のLADIAの音楽を（笑）。ハードなツインギターがかっこいい曲もあれば、ポップな曲もあり、フォークソングもピアノバラードも……。べースには確実にロックがあるけど、ジャンルでくくれないんだよね。三人のメンバーそれぞれが作詞・作曲をするんだけども、三人それぞれの個性がほんとによく出てる。それでいて、バラバラな感じに聴こえないのは、やっぱりヴォーカルの原屋さんの歌声で、一本芯が通るのかな？　やわらかくて艶もある女性らしい声なんだけども、もともとロック好きなだけあって、迫力もアリの。
ステージでもオーラがあったなあ。そういえば俺、このひとの歌が大好きだったんだけど、向こうも俺のギターを気に入ってくれてたらしく、俺の上京前に「いつかなんか一緒にやろうな」って言ってくれたんだよね。覚えてる？　俺忘れてないからね（笑）。

『OH ! ZAPPA !』さて、そんなLADIAですが、三枚目のアルバムを出したあと、解散してしまいます。俺は理由を聞かせてもらったけど、ここでは書かないことにしますね。もちろん仲違いじゃないですよ。とにかく、アルバムの完成度の高さや、当時のライヴを観て、もうすぐドカーンって売れそうなのに、って思ったのをよく覚えています。もったいないな、って。でも、本人達にその気が無いんだから、俺がいくら言っても、ね……。

その三枚目は『OH ! ZAPPA ! 』ってタイトルなんだけど、なんと全曲一発録り！　つまり、オー、ザッパ、大雑把ね（苦笑）。スタジオにサポートメンバーも含めた全員で入り、「せーの！」で録音。とてもそうは聴こえないんじゃないかな。
ラフではあるけど、今聴いても、20代前半の女の子たち（失礼！）の演奏だとは思えない。このアルバムでLADIAの実力がよく判るはず。楽曲の完成度も高い。俺、普通に今でも聴くんだよね。20代前半の甘酸っぱい想いがよみがえってくるけど（苦笑）。

ほんと、LADIAは三枚目に限らず、知らない人たちにはぜひ聴いて欲しいんだけど、廃盤だろうなあ。中古盤も見かけないから、見つけたら絶対買って！
LADIAは、お世辞でもなんでもなく、俺のフェイバリットバンドのひとつ。再結成はないだろうから、俺がカヴァーして世の中に曲を広めてやろうかな、と思っています。いいよね？←ここ私信（笑）。