ikkieの音楽総研

第39回 ライヴレポート編(その2) WHITESNAKE
――「ホールにはないスタンディングの魅力」などなど

2011 / 11 / 08

前回に引き続き「WHITESNAKE」です! ちょっとマニアックなことも書きたかったんだよね。あ、もちろんマニアではない方にも楽しんでいただけると思います。

当初、今回の来日公演には東京公演が含まれていなかったので、行くのを諦めていました。埼玉ではやるけど、メタルフェス「LOUD PARK」でのライヴだし。単独公演は愛知、岡山、兵庫、宮崎で、そこまでは行けないなあ......と。フェスに行けばいいじゃん、って話しだけど、若い人が集まる(苦笑)フェス形式のライヴには二の足を踏んじゃう。
WHITESNAKEのファン層は、おそらく80年代をリアルタイムで経験した30〜40代がメインのはずだし、俺と同じように思った人も多かったんじゃないかな。いくつもバンドが観られるのはいいけど、そんなにたくさん観なくてもいいし(笑)、スタンディングの会場で、長い時間メタルを聴いているのは辛い、という年寄りくさい意見も多いと思う(苦笑)。フェスだと持ち時間も短いだろうし、単独公演でたっぷり聴きたいという意見もあったでしょう。フェスは目当てのバンドだけを観に行くにはチケットが高いよね。

whitesnake3.jpgそんなわけで、今回は諦めるか......と思っていたところ、突然の追加公演発表。90年代前半のハードロックバブルのころは、しょっちゅう追加公演が発表されていたものですが、このところのハードロック不況でそういうことはあまり無くなっていたので、嬉しい驚きでした。しかも、会場が赤坂BLITZという、大きめのライヴハウス!
二重にびっくり。大きめといっても1500人程度の会場なわけで、通常のWHITESNAKEのライヴではありえない。そんなところでWHITESNAKEを観られるなんて! 迷わずチケットを予約したけど、スタンディングは嫌だなあ。ホールでも立つんだし、関係ないでしょ?と思ったあなた! あなたはまだ若い。スタンディングの会場は、椅子が無いわけですよ。つまり、フロアに入ったが最後、座れないし、場所取りも出来ないので、トイレにも行けません(苦笑)。

まあ、それは冗談としても、ホールだと立ち上がっても自分のスペースが確保出来るけど、スタンディングだとほんとに満員電車のようになるし、ホールに慣れているアラフォーにとっては意外と嫌なもんです。すし詰め状態で大騒ぎするスタンディングならではの楽しさはよくわかるけど、来日アーティストはホールで観たい、と思っている人は多いんじゃないかなー。それにしても、国際フォーラムあたりならまだまだ埋まるはずだと思うんだけど、まさかチケット売れないとか......。
急な日程で他の場所押さえられなかったんだよね? ね?と、若干の不安もあったわけですが、当日の予想以上の行列と、なかなかフロアに入りきらないお客さんを見て、まだまだ人気あるじゃん!と、安心しました。やっぱりBLITZはWHITESNAKEには狭すぎるよ(急に偉そう)。

さて、前回はデイヴィッドのことばかり書きましたが、デイヴィッド以外のメンバーも、男前揃いで凄くカッコ良かったです。ダグ・アルドリッチと、レブ・ビーチの二人のギタリスト以外には恒例のメンバーチェンジがあって、全体的に若返ったような印象かな。ルックスだけなら歴代でいちばん良いかも。プレイ面では、二人のギタリストには文句の言いようがないし(ほんとはちょっとある)、新しいメンバーも悪くなかった。悪くなかったというのは......、他のバンドでのプレイが気に入っていたドラムのブライアン・ティッシー、彼のプレイがいまひとつでした。
なんだか粗いプレイが多くて、バンドには合わない気がした。CDではまったくそんなことないし、CDとライヴでは違うのかもしれないけどね。まあ、あくまでも個人的な感想です。それと、必勝ハチマキはダメだろう(苦笑)! 誰か教えてあげなさいよ。

セットリストに関しては、ニューアルバムを出したあとのツアーだし、という前提で納得。いろいろと言い出したらキリがないしね。しかし、ひとつだけ気になるのは、彼らのテーマソングとでも言うべき『Ain't No Love In The Heart Of City 』をやらなかったこと。深い理由はないのかもしれないけど......。今回は、初期の楽曲をあまりやらなかった。まあ、それだけ新しいバンドに自信があるってことだと解釈しよう。

しかし、スクリーン越しじゃなく、デイヴィッドの表情が見られるのがこんなに嬉しいとは。ロック・レジェンド......リヴィング・レジェンドといってもいい、デイヴィッドが手を伸ばせば届くような距離にいる。もちろん、大きな会場ならではのお祭り感もいいけど、小さめの会場ならではのメンバーとの距離感がたまらなかったなあ。マイクを通さない生声が聞こえる、なんてことは大きな会場ではそうないよね。ライヴ終了後には、次もスタンディングで! と思っていた現金な俺でしたとさ。
















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