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第40回 洋楽編 RAINBOWのおかげで「俺のリッチー」が存在する幸せ
2011 / 11 / 15
「DEEP PURPLE」の回以降、「RAINBOW」はいつだ? なんて期待されていた方もいらっしゃったのではないでしょうか(いない?)。同じくDEEP PURPLEファミリーの「WHITESNAKE」を挟んで、満を持しての登場、RAINBOWでございます!
ボーカルはRonnie James Dio RAINBOWはDEEP PURPLE(以下パープル)のギタリスト、リッチー・ブラックモアがパープルでは表現しきれなかった自分自身の音楽を、思う存分表現するために結成したバンドで、当初は「RITCHIE BLACKMORE’S RAINBOW」と称したりもしていました。他のメンバーの影響も大きかったパープルとは違い、まさにリッチーの乗り物だったわけです(リッチー自身は「俺はRAINBOWの1/5だ」と発言したこともあるようですが)。
俺とRAINBOWとの出会いは、ハードロックを聴き始めた中学生のころでした。そのころ読んでいた音楽雑誌には「ハードロックが好きならRAINBOWを聴け!」みたいなことがよく書いてあったので、ハードロックの教科書を聴くようなつもりで聴いたような気がします。まあ、子供にとって教科書が面白いはずもなく、最初はあんまりピンと来なかったんだよなあ。
俺と同じようにハードロックにハマっていた友人が、『RISING 』というロック史に残る名盤を聴かせてくれたんだけど、ロック初心者の中学生に70年代の名盤は敷居が高かった。LAメタルやニュー・ウェイヴのキラキラした音を好んでいた俺には、中世音楽とハードロックの融合なんて言われても、「へー」って感じでねえ。まだパープルのほうが分かりやすかった。
ボーカルはGraham Bonnet ただ、RAINBOWは時代ごとに音楽性がガラっと変わったバンドで、その都度、ヴォーカリストもロニー・ジェイムズ・ディオ、グラハム・ボネット、ジョー・リン・ターナー……と変わっているんだけど(あともう一人)、ジョーが歌っていたころの音楽は、キラキラ好きの俺にもわかりやすい、キャッチーなものでした。まあ、売れ線狙いなんて敬遠されたりもしている時代だけど、初心者の俺にはとっつき易かった。そんなわけで、とりあえずジョー時代からハマるわけですよ。
そうするとねえ、不思議なことに、どの時代のものでも「わかる」ようになってくるのです。この感覚、覚えがある人もいるのでは。いきなり難しい方程式は解けなくても、簡単なものでも公式を覚えると、それまでわからなかった方程式でも当てはまる公式が見えてくるような感じ、というとわかってもらえるでしょうか……俺、わからないけど(笑)。「BON JOVI」が多くの人たちにとって洋楽ロックへの扉だったように、ジョー時代のキャッチーな楽曲が、俺にとってはRAINBOWの扉だったわけですよ。おお、こっちのほうがわかりやすいな。
RAINBOWは先に書いたように、まさにハードロックの教科書のようなバンドでした。メロディアスかつ激しいリッチーのギター、コージー・パウエルをはじめとしたドラマーたちのパワフルなプレイ、それぞれが魅力的な声を持ち、美しいメロディを歌うヴォーカリストたち……。リッチーはパープルでハードロックの雛形を作り、RAINBOWではそれを芸術の域にまで持っていった……とか書かれているのを読んだっけ。芸術なんていうとかえって聴く気がしなくなる人もいるだろうから、俺は芸術的だ、としておこうかな。敷居が高くなっちゃうと嫌だしね。
ロックなんだし、難しいこと考えずにデカい音で聴いて! ……でも、激しさも、美しさも併せ持ったロックだ、とは付け加えておこうかな。激しいだけでも、美しいだけでも、俺はここまでハマらなかった。ドラマティックで美しい楽曲を、激しくパワフルに演奏されるのがたまらないんだな。それこそがハードロックの醍醐味!
ボーカルはJoe Lynn Turner ところで、畏怖している、というほどリッチー・ファンの俺だけど、ことギタープレイでいうなら、パープル時代のほうが凄いかも、と思ったりもしています。でも、楽曲でいうなら絶対にRAINBOW。パープル時代もいいけど、RAINBOWはパープルよりも「リッチー・ブラックモア」なんですよ。ただ、「よりリッチー」だからRAINBOWにハマったわけではなくて、RAINBOWにハマったあとに、「よりリッチー」だと気付いた……わかる(苦笑)? それが俺のリッチー・ファンになった理由。RAINBOWを聴いて、「ああ、俺が好きなのはリッチーなのか」と気付いたのです。
……結局、最後にはリッチーの話しになっちゃった(笑)。ええと、おすすめアルバムは『RISING』です! ロニーの歌とコージーのドラムが凄いですよ! ……なんて言ってもみんな信じてくれないかしら(苦笑)。いや、ほんと名盤ですから。ぜひ聴いてみてくださいね。敷居が高いと思う人は、ジョー時代の『DIFFICULT TO CURE 』をどうぞ。
『Stargazer』 with Ronnie
『All Night Long』 with Graham
『Spotlight Kid』 with Joe
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