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第61回 洋楽編 TWISTED SISTER
――"頼れるアニキ"で30年、今日もディーの歌が聞こえる
2012 / 10 / 02
トム・クルーズが伝説のロックスターに扮し、「BON JOVI」の『Wanted Dead Or Alive』を熱唱するロックミュージカル『Rock Of Ages』がついに公開されましたね！ タイトルからして「DEF LEPPARD」の曲名
TWISTED SISTERは82年にデビューしたアメリカのハードロック/へヴィメタルバンドです。キャッチーなメロディや、キッズの気持ちを代弁するかのような歌詞、コミカルなキャラクターで、アメリカではヒットを連発。日本でもロックファンの間では結構人気がありました。曲がとにかくキャッチーで、今でもテレビで使われることが多いから、彼らを知らない人でも、曲を聴いたことはあるかも？ 80年代の後半に人気が低迷して、いったん解散しちゃうんだけど、21世紀への変わり目のあたりに再評価の声が高まり、再結成。今もアメリカを中心に活動しています。
俺が初めて彼らを知ったのは中学生のころで、MTVの特番『HEAVY METAL MANIA』の司会をシンガーのディー・スナイダーがやっていたのを観て。曲も気に入ったけど、2m近い長身で、ワイルドなカーリーヘアのディーがカッコよくてねえ。曲やバンドよりも、ディーその人のファンになった、というほうが正しいかも。決して二枚目ではなかったけど、頼りがいがありそうで、「アニキ！」って呼びたくなる感じでさ（笑）。実際、世界中のキッズから兄貴分として慕われていたみたいです。
そうそう、オジーのときにも書いたけど、80年代に、ロックアーティストの歌詞や言動に影響を受けた少年が自殺をしただのと、頻繁に裁判沙汰になっていた時期があってね。訴えられたアーティストはもちろん無罪だったけど、アメリカでは、PMRC（Parents Music Resource Center）という音楽を検閲する組織が出来て、青少年に聴かせるべきではないとするCDに、警告ステッカーを貼るようになったんですよ（輸入盤に「PARENTAL ADVISORY〜」と貼ってあるのを見たことがある人も多いのでは）。
S.M.F（Sick Mother F……あえて伏せておきます）という凄いタイトルの曲があるTWISTED SISTERは当然槍玉にあがり、我らがアニキ、ディー・スナイダーも米国上院の公聴会に呼ばれたりしていました。でも、その席でディーは、歌詞やアーティストへの批判に極めて論理的に反論し、自身も含むほとんどのアーティストが至って常識人であり（ジーンズで出席してるけど）、かつ理知的でもあることを証明。「私はミュージシャンである前に父親だ」という発言はカッコ良かったなあ。俺には、批判する側のほうがおかしく見えたし、アメリカの世論も同じだったはず。それにしても、欧米のああいう批判や裁判は理解に苦しむ。英語が母国語ではない、という面での感覚の違いはあるにしても、向こうのは度が過ぎているし、問題をすり替えている気がする。犯罪率の高さとロックは関係ないだろ、っての。……おお、いつになく社会派だ。
ところで、TWISTED SISTERは初期のころはドラァグクイーンのようなドギツいメイクをしていて、ちょっとキワモノっぽい印象もあり、音を聴く前に 拒否反応を示す人もいるバンドでした。聴けばカッコいいのにねえ。もったいない。俺はとにかく曲が気に入っていたし、バンドでコピーもしたよ。凄くシンプルなプレイだったから、ギターキッズ目線だとあまり面白い曲ではなかったけど、初心者でもなんとか弾けるようなプレイでね。俺が初めて人前で演奏した、中3の冬休みのクリスマスパーティでもやったはず。ひどい演奏だったけど、女の子たちにカッコいいとか言われて、いい気になってたっけ（苦笑）。いやー、あの子どうしてるかな……。久しぶりに会ってみたいなあ。FaceBookとかやったら繋がれるかね?? むむむ……。……あっ、えーと、まあ、そういう感じでTWISTED SISTERは俺の青春の思い出と直結している大切なバンドのひとつなのです。ルックスに惑わされず、聴いてみてほしいなあ。思わず拳を振り上げたくなるはずだよ。
公聴会の様子。字幕付きは見つからず……
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