ikkieの音楽総研

第82回 ライヴレポート編 VAN HALEN――時空を越えて34年、やはりデイヴは凄かった

2013 / 07 / 09

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こんな席でした。遠いですよね、ステージまで
台風が日本列島に襲い掛かっていた6月21日、東京ドームでVAN HALENのライヴを観てきました! エディ・ヴァン・ヘイレンの緊急入院のため、昨年11月の来日予定がこの日まで延長されていたんだけど、考えてみればデイヴ・リー・ロスを擁したVAN HALENは1979年から日本に来ていなかったわけだし、それも含めて、まさに満を持しての来日ですよ!

定刻を10分ほど過ぎたころ、何の前置きもなくドラムのフィルインからいきなりスタート! 照明の暗転が間に合ってなかった(笑)。こんな大きな会場で、SEも特別な演出もなくライヴが始まるなんて、ちょっと記憶にない。1曲目は『Unchained 』だ! 3階席までぎっしりの客席は当然総立ち、大歓声でバンドを迎える。わー、ほんとにデイヴがいるよ! マタドールのような黄色のジャケットを羽織ったデイヴは遠めに見ても凄いオーラで、声もよく出ている。ダイアモンド・デイヴ健在! さて、俺の目当てのエディは……黒いTシャツに濃いグレーのパンツ、オールバックにした髪を後ろでちょこんと結んで……カッコ悪い……(苦笑)。若いころのスリムなエディなら、それでも絵になっただろうけど。いやまあ、エディが元気で、プレイがカッコ良ければそれでいいんだけどね。

……しかし、肝心のサウンドが酷かった。ドラムはスネアしか聴こえないし、ベースは何か鳴ってるな、という感じで、フレーズが聴き取れない。ギターも歌が始まると何を弾いているかわからないほど。他の席だともっと良い音だったのかなあ。とにかく俺がいた1階スタンド、バックネットのほぼ真裏の座席では残念なサウンドでした。それでもギターソロになるとエディのプレイのクリアさはよくわかったし、酷いサウンドでも凄さは伝わってきたよ。

ベースから始まる『Runnin' With The Devil 』で、ようやくベースの音が聴こえた。この曲以外ではエディの息子、ウルフギャング・ヴァン・ヘイレンの音はほとんど聴こえなかったから、プレイについてはなんとも……。だけど、VAN HALENで世界中をツアーしてるんだから、プレイの悪かろうはずがないよね。前任のマイケル・アンソニーの特徴的なコーラスが聴こえてこないのは残念だったけど、ウルフィーも良い声してました。


ライヴ中盤に披露されたデイヴのショートムービー『外人任侠伝』。
小錦出てます

ライヴ中盤は『Everybody Wants Some!! 』、『Somebody Get Me A Doctor 』などなど、お祭りソングが続く。デイヴ時代のVAN HALENにはバラードと呼べるような楽曲がないから、そういう意味でのバリエーションは少ないんだけど、そんなことは問題にならないぐらい名曲が多い! 世界一のハードロックバンドといっても過言じゃないVAN HALEN。でも、その歌メロは決してHR/HM的ではなく、アメリカンポップスやR&Bを下敷きにしていて、実にキャッチー。そこが彼らの特異さで、素晴らしいところだ。

セットリストは『1984 』からが多いかな、なんて予想してたんだけど、デイヴ時代のアルバムからまんべんなくという印象。『Hear About It Later 』なんかが聴けたのは嬉しい驚きだった。毎回言ってるけど、理想のセットリストは人それぞれ。俺は聴きたかった曲がほとんど聴けたし、大満足でした。特に『Hot For Teacher 』! 俺が思うところの「これぞVAN HALEN!」という曲が、アルバムで聴ける勢いそのままに再現されたのには鳥肌が立っちゃったなあ。


Eddie’s Guitar Solo

ライヴ後半、お待ちかねのエディのギターソロタイムはやっぱり圧巻! 『Eruption 』や『Cathedral 』、『Spanish Fly 』を組み合わせたお馴染みの内容だったけど、目の前で繰り広げられるその華麗なプレイにはうっとり。ステージから遠かったから、どうしても臨場感には欠けたけど、それでも”本物”がそこにいる! という事実に感激しっぱなしでした。そして、続く『Ain't Talkin' 'Bout Love 』、『Jump 』でライヴは終了。大人気の曲の連発で会場はお祭り状態でした! アンコールがなかったのは残念だけど(Jumpがアンコール?)、Jumpが最後の曲だろう、とはみんな予想していたろうし、20曲以上、2時間あまりのライヴに大方のファンは満足だったんじゃないかな。

それにしても、デイヴの存在感は凄かった! デイヴの一挙手一投足に目が釘付け。改めて凄いフロントマンだと実感したよ。エディ目当てのはずが、気が付いたらデイヴばっかり見てたもの。正直なところ、VAN HALENを観た! というよりも、デイヴ・リー・ロス&VAN HALENを観た、という気持ちになっていたのは内緒です。ただ、酷いサウンドのせいでエディの存在感が薄くなってしまっていた感はあるし、もし次回があるなら、もっと良い音の会場で観たい。次あるよね? 今度は34年も空けないで来てほしいねえ。


撮影が許可されていたため、こんな映像も。
なんとライヴ全編!すごい時代になりました

当日のセットリスト。
いろんなところにこの日のセットリストが上がってるけど、なぜだか間違ってるのが多いです。
東京ではAtomic Punkはやらなかったよ

  1. Unchained
  2. Runnin' With The Devil
  3. She's The Woman
  4. I'm The One
  5. Tattoo
  6. Everybody Wants Some!!
  7. Somebody Get Me A Doctor
  8. China Town
  9. Hear About It Later
10. Oh, Pretty Woman
〜Drum Solo
11. You Really Got Me
12. Dance The Night Away
13. I'll Wait
14. And The Cradle Will Rock…
15. Hot For Teacher
16. Women In Love…
17. Romeo Delight
18. Mean Street
19. Beautiful Girls
〜Dave's Short Film "Tokyo Story"
20. Ice Cream Man
21. Panama
〜 Guitar Solo
22. Ain't Talkin' 'Bout Love
23. Jump


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