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第124回 ライヴレポート編 MÖTLEY CRÜE――観逃してたまるか。観逃して、たまるか!(前編)
2015 / 02 / 24
2月15日、さいたまスーパーアリーナでMÖTLEY CRÜEのライヴを観て来ました! 今回のツアーは解散を表明しているMÖTLEY CRÜEの最後の来日公演。観逃してたまるもんですか。
当日のさいたま新都心駅に向かう電車の中にはMÖTLEY CRÜEのファンと思しきロックファッションに身を包んだ人がたくさんいて、ライヴへの期待感に拍車が掛かった。こういうの嬉しいんだよね。80〜90年代のライヴ会場にはそういう人がいっぱいいたけど、最近はHR/HM系のライヴでも普通の格好の人が多いし……さすがモトリー! と感心しちゃいました。
会場に入ると、ドラムセットから客席中央に伸びるローラーコースターのレールにまず目を奪われる。想像以上にデカいぞ! 海外では以前から使われていたセットだけど、日本では消防法の問題なんかで実現していなかったんだよね。消防法が緩和されてからも、バジェットの問題があったのかもう少し小規模だったし。やっぱり最後のツアーだから気合い入れてくれたのかな……と、興奮しつつも寂しさを覚えていると、あっという間に開演時刻に。そして少しの遅れもなく場内暗転、少々長めのSEに焦らされると、ついにメンバーが登場! オープニングは『Saints of Los Angeles 』だ。ロングコートに身を包んだヴィンス・ニールは、俺の記憶していたヴィンスよりもかなり恰幅がよくなっていたけど、マフィアのボスのような貫禄があってこれはこれでカッコいいのかもしれない。少し前屈みにギターを弾くミック・マーズは、アクションは控えめでもギターはいつだって誰よりもワイルドで、サウンドも素晴らしい。トミー・リーは俺の席からではあんまりよく見えなかったんだけど、叩き出すビートだけでトミーだとわかる。そして俺の永遠のヒーロー、ニッキー・シックス! その佇まいに存在感……そこにいるだけで、ロックスターのオーラが俺のいるスタンド席まで伝わってくる。もうね、ベース弾かなくてもいいぐらい。
客席中央から天井近くまでレールが伸びてるのが見えるかな?
続く『Wild Side 』では、2人の女性コーラス兼ダンサーが登場、セクシーな衣装とダンスでステージに華を添える。バンドのプレイはトミーを筆頭に物凄くタイトで、衰えを感じさせない。いちばん若いトミーですら50歳を超えているなんて信じられないなあ。90年代ミクスチャーロック的な『Primal Scream 』を挟み、ヴィンスがギターを持って始まったのは『Same Ol' Situation(S.O.S .) 』。このパーティソングに、天井近くのスタンド席までぎっしり埋まった満員の客席が盛大なコーラスで応える。来日公演初日からこの日まで、全会場のチケットがソールドアウトだったとのこと。最後だからかもしれないけど、今でもこんなに大勢の人がMÖTLEY CRÜEを観に来るのに、これが最後だなんて信じられない。
『On With the Show』
ファーストアルバム収録。ロマンティックなメロディが秀逸!
歌詞もすごくいいので、がんばって探してみてね(笑)
『Looks That Kill 』、『On With the Show 』、『Too Fast for Love 』という初期曲の連発が個人的には前半のハイライトだった。『Dr. Feel Good 』以降の貫禄たっぷりな楽曲のほうが完成度は高いんだろうけど、LAメタル然としつつ、危ういポップさを持っている初期の楽曲のほうがMÖTLEY CRÜEらしい気がするな。続くカバー曲の『Smokin' in the Boys Room 』は近年のライヴではあんまりやらないイメージだったけど、男子トイレで一服、なんてMÖTLEY CRÜEにぴったりだし、この曲が好きなファンは多いんじゃない? そして、「ここにマザーファッカーはどれぐらいいるんだ?」と始まったのは『Muther Fucker of the Year 』。デジタルなイントロがMÖTLEY CRÜEらしくないという声もあるかもしれないけど、このひどいタイトルも、肉汁が滴るような猥雑さも、すべてがMÖTLEY CRÜEそのものだ。
『Smokin' in the Boys Room』
中学生の頃、このPVが大好きでした。
こんな時にモトリーが助けに来てくれたら最高だよね(笑)!
曲が終わると、ニッキー以外のメンバーがステージを降りて、ニッキーからバンドを代表して日本のファンへのスピーチ。コミュニケーションが取りづらいから、と通訳付で。「85年の最初のツアーに来たやつはいるか? Girlsのツアーは? Feel Goodはどうだ?」とのニッキーの問いかけに、それぞれのツアーを観たファン達が大きな歓声で応える。「昨日初めて知ったんだけど、撮影禁止なんだってな。ここのボスは俺だ。写真撮ってもいいぞ! 東京がどれだけ盛り上がってるのか、世界中に知らせてやろうぜ!」と、禁止されていた撮影を許可。ボスは俺! し、しびれる……。そして、「俺たちはこの国のことが大好きだ。人々も、音楽も、食べ物も、何もかもが大好きだ!」と日本への気持ちを伝えてくれたあとに、「忘れるなよ。これはさよならじゃない。お前らが死ぬその時まで、俺達の音楽は生き続けるんだからな!」と……。ニッキー、その通りだけどさ、俺はどうにも泣けてしまって参っちゃったよ。
(後編に続く)
※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/
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