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第128回 洋楽編 BLACKMORE'S NIGHT――乞う再来日! リッチー・ブラックモアの"今昔物語"
2015 / 04 / 21
TwitterでDEEP PURPLEやRAINBOWでの活動で知られるギタリストのリッチー・ブラックモアと、そのどちらにも参加した経歴をもつシンガーのジョー・リン・ターナーが年内に再合流するというニュースを見つけた。もしもそんなことが実現すれば夢のようだけど、こういう噂は何度も出ているわりに実現したためしがないんだよね。とはいえ、昔からジョーとリッチーの仲は良好だというし、ロニー・ジェイムズ・ディオ亡き今、ファンがいちばん再合流を望んでいるのも、その実現の可能性が高いのも、ジョーとリッチーだろう。WHITESNAKEのデイヴィッド・カヴァデールも彼がいた時期のDEEP PURPLEの再結成を望んでいたこともあったようだけど、リッチーとは不仲の噂もあったし、キーパーソンだと思われたジョン・ロードも亡くなったしね……。ただ、その代わりなのかなんなのか、なんとWHITESNAKEでDEEP PURPLE時代の楽曲をセルフカヴァーしたアルバム を制作、今月末に発売予定だ。デイヴィッドは、リッチーと最近連絡を取った、なんてインタビューで話していたから、実はレコーディングへの参加を要請していたんじゃないか(アルバムには参加しておらず)なんて深読みをして、ひとりニヤニヤしていた最近のわたくしです。 さて、前置きがだいぶ長くなりましたが、今回はそのリッチー・ブラックモアの現在の活動をご紹介! 現代の吟遊楽団、BLACKMORE’S NIGHT です。
BLACKMORE'S NIGHTは、リッチーがまだドゥギー・ホワイトを擁するRAINBOW を継続していた(と思われる)97年にファーストアルバム を発表。中世のルネッサンス音楽や、トラッドフォーク、民族音楽などに影響を受けたサウンドで、シンガーは当時まだ婚約者だった現在の奥方(26歳年下!)キャンディス・ナイトが担当。シンガーが女性なのも驚いたけど、そういった楽曲に合わせて、リッチーのギターがエレクトリックではなくアコースティックをメインにしていたのには大いに驚いたものです。RAINBOWのようなハードロックどころか、ロックですらない。リッチーが以前から中世の音楽に傾倒していたのは知っていたけど、ここまで本気だとは思わなかった……というのが、俺だけではなく、大方のリッチーファンの意見だったのでは。そこにHR/HMシーン最高峰のギタリストだったリッチー・ブラックモアの姿が見えなかった人も多いだろう。それでも、よく耳を傾けたなら、たとえアコースティックでもその特徴的なプレイはリッチー以外の誰のものでもないことに気付くだろうし、楽曲にあふれる美しいメロディからRAINBOWとの共通点もたくさん聴こえてくるはず。ハードロックではなくても実にリッチーらしい楽曲と、キャンディスの女性らしい柔らかな透明感のある歌声との相性がとても良く、俺はすぐにBLACKMORE'S NIGHTのファンになりました。
『Shadow of the Moon』
ファーストアルバムのタイトルトラック。初来日公演の映像です。
動画冒頭の伊藤政則氏はあまり気にせずに(笑)。キャンディスがまだ初々しいね
ただ、これはこれで素晴らしいけど、きっとソロアルバムみたいなもので、次はRAINBOWだろう……なんて思っていたんだよね、しばらくは。でも俺の予想は大きく外れ、RAINBOWはあっけなく解散してしまい、リッチーはBLACKMORE’S NIGHTに専念する。現在までに9枚のオリジナルアルバムを発表、精力的にツアーもこなし……今となってはもう、DEEP PURPLEやRAINBOWより活動期間も長い。よっぽど楽しいんだろうなあ。リッチーは常々、金のために音楽をやっているんじゃない、と発言している。もちろんプロなんだからそれで食っているわけだけど、ギャラが高額だからといって、それだけの理由で以前のバンドはやらないということだろう。音楽や、一緒にやるミュージシャンのほうが重要なんだと思う。
『Minstrel Hall』
インストゥルメンタル。
リッチーがアコースティックでもエレクトリック同様に素晴らしいのがわかってもらえるんじゃないかな
04年に一度だけ観ることが出来た来日公演でのリッチーの楽しそうな姿が忘れられない。DEEP PURPLEやRAINBOWでのカリスマ性あふれる魔人のようなリッチーとは別人のようで、笑顔が見られたし、なんと自分からファンに手を伸ばし、握手までしていた(これ、昔のリッチーじゃありえません)。そして、個人的にもこの時のライヴは、人生で三本指に入るぐらい楽しく、記憶に残る素晴らしいライヴだった。演奏や楽曲の素晴らしさもさることながら、メンバー達の音楽への愛情をたっぷりと感じた。リッチーには似合わない言葉だけど、愛にあふれたライヴだった……と言ってもいいかもしれない。もしもジョーやデイヴィッド達との活動が実現したら、それはなんとしてでも観たいと思うけど、リッチー個人で考えるならば、BLACKMORE’S NIGHTのライヴをもう一度観たい! と切に願います。リッチーももう70歳。愛する奥方と気が置けない仲間たちとで、心から愛する音楽を楽しんで演奏してほしい。また日本にも来てほしいなあ。
『Under a Violet Moon』
この曲大好き。部屋の明かりを消して聴くと、何か中世の世界に紛れ込んだような気分に浸れます
※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/
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