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第130回 洋楽編 REB BEACH――WHITESNAKEの新作で待ってましたの大活躍!
2015 / 05 / 19
WHITESNAKEの新作、『The Purple Album 』が好評らしい。オリコンの総合チャートでは8位を記録、洋楽が売れないと言われている現在、この結果は大健闘だろう。デイヴィッド・カヴァデールがDEEP PURPLE時代の楽曲をセルフカヴァーしたアルバムを作るなんて予想もしていなかったけど、デイヴィッドの歌もバンドの演奏も素晴らしいし、新しいアレンジにはオリジナルバージョンへのリスペクトが感じられ、WHITESNAKEのファンはもちろんDEEP PURPLEのファンも充分に満足する内容だと思う。さて、今回はその『The Purple Album』で大活躍のギタリスト、レブ・ビーチをご紹介! レブは実力も経歴も申し分ないのに、WHITESNAKEではセカンドギタリストの座に甘んじていたように見えてしょうがなかったんだよねえ……。
レブ・ビーチは88年にWINGERのギタリストとしてデビュー、日本でも良く知られるようになったんだけど、それ以前はスタジオミュージシャンとして活動しており、チャカ・カーン やハワード・ジョーンズ などの有名ミュージシャンの作品に参加していたという、HR/HM系のギタリストには異色の経歴の持ち主だ。WINGERは新人らしからぬ完成度の高さのデビューアルバムが大ヒット、レブも独自のスタイルでのタッピングや、流麗な速弾きで一躍ギターヒーローとして人気を博す。
三枚のアルバムを残してWINGERが解散すると、レブはDOKKENやアリス・クーパー のバンドなどに参加。スタジオミュージシャンとしての経験もあってか、どのバンドにも見事にフィットしたプレイを披露した。特にDOKKENでのプレイ は素晴らしく、このまま続けてほしいと思わせるものだったけど、WINGERが再結成、レブは古巣に復帰した……と思ったら、今度はWHITESNAKEに加入して物凄く驚いた。WHITESNAKEはブルージーなハードロックバンドで、ジャズ・フュージョン的なプレイが得意なレブは合わないと思ったんだよね。レブの経歴を考えればどんなバンドでもうまくプレイ出来るのはわかっていたはずなのに、ブルージーじゃないレブは違う、と感じちゃったんだよなあ。レブが参加したWHITESNAKEのライヴでその確かな実力を目の当たりにした途端、レブでよかった! と思い直したけど。
WINGER 『Seventeen』
WINGERのファーストアルバムからのヒットシングル。
どうしてもセクシーなキップ・ウィンガー(Vo, B)に目がいっちゃうけど、 レブも可愛い顔しています。
テクニカルかつ、キャッチーなギターが素晴らしい!
ただ、WHITESNAKEはいつ頃からか二人のギタリストに順序付けをするようになっていて、当時はダグ・アルドリッチがファーストギタリストだった。ステージでの立ち位置もダグが上手側(向かって右側。上手側は伝統的にリードギタリストの立ち位置)、作曲はデイヴィッドとダグが行ない、アルバム でもレブはギターソロを1曲弾いただけ。デイヴィッドは、レブはWINGERが忙しいようだし、一人のギタリストと作曲したほうが方向性も定まって良い、なんて話していたけど、レブ自身はスケジュールが空いており、レコーディングに参加出来ないことを知って、WINGERやその他の活動を入れたという……。いかにもデイヴィッドらしいエピソードだ。たしかにダグのほうがWHITESNAKEのスタイルに合っていたけど、それを聞いた俺は、レブほどのギタリストがこんな扱いでいいのか、と苦々しく思ったよ。勝手な予想だけど、当時のデイヴィッドはダグ以外のメンバーのことをバックミュージシャン的にしか評価していなかったんじゃないか。レブも、俺がWHITESNAKEに入ったのは歌えたからだ、なんて自虐的に話していたことがあるぐらいだし……。
DOKKEN 『Erase The Slate』
この曲を聴いたときは、迷走していたDOKKENが復活した! と大喜びしたものでした。
まさか1枚だけで抜けちゃうとは思いませんでした
新しく加入したジョエル・ホークストラがダグの後任だったことから、レブの扱いが気になっていた。知名度は断然レブのほうが上だし、WHITESNAKEに加入してからもずいぶん経つ。それなのにジョエルがファーストギタリストになってしまったら、さすがのレブも辞めちゃうんじゃないか、と。でも、今回のアルバムではレブが共同プロデューサーとしてクレジットされているし、ギターはもちろん、デイヴィッドとヴォーカルをデュエットするなど、八面六臂の大活躍! デイヴィッドは最近のインタビューでレブのことをしきりに褒めていて、ようやくレブのことを認めたかとちょっと溜飲が下がる思いだったけど、今度はレブがダグのように従順になることを求められ、WINGERとの両立が出来なくなってクビ、なんてことになりませんように。
WHITESNAKE 『Storm Bringer』
The Purple AlbumからDEEP PURPLEの名曲を。
レブはリッチー・ブラックモアに敬意を表してか、シングルコイルのストラトを弾いているね。あくまでPV用だろうけど......
海外アーティストの中で、俺がここ10年ぐらいの間にいちばん多くライヴを観ているのはレブかもしれない。WHITESNAKE、WINGER、NIGHT RANGERと、三つのバンドで何度もレブを観た。やっぱりWINGERのレブが一番のびのびしていたし、それが本来のスタイルなんだろうけど、WHITESNAKEのファーストギタリストとして上手に立っているレブも早く観てみたいぞ!
※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/
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