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第228回 洋楽編 BRIAN MAY――ワン・アンド・オンリー、Dr.ブライアン・メイ!
2019 / 02 / 19
前回、レコーディング中だとここに書きましたが、急きょ体調不良でライヴに出演できなくなった方のピンチヒッターを務めることになり、レコーディングはいったん中断して、ライヴでやる予定の曲を一生懸命コピーしております。今回のライヴ は俺と女性シンガーの二人だけなので、基本的にはシンプルな曲ばっかりやる予定なんだけど、一曲やることになったQUEENの曲がなかなか手強い! テクニック的に難しいというよりも、ブライアン・メイ のタッチや、その美しいラインをいかに再現するかが難しくてね。完コピは出来そうにないので、自分なりに弾くしかないなあ……と、早々に白旗を上げつつ、ブライアン・メイって凄い、とあらためて感銘を受けているところです。……さて、今回の音楽総研は、そのブライアン・メイのことをあれこれと。
ブライアン・メイは今年71歳になるイングランド出身のミュージシャンで、言わずと知れたQUEENのギタリストですが、QUEENにはフレディ・マーキュリー という不世出のシンガーがいたがために、フレディのことばかりが話題になるし、ブライアンの凄さはギタリストやミュージシャン以外にはあまり伝わっていないのかも、という気もしています。
QUEENの曲は、知らない曲だったとしても、聴いた瞬間に「あ、QUEENだな」と気付くほど特徴があるよね。もちろん、フレディの歌声や、フレディらしい風変わりな曲調、幾重にも重ねられたコーラスなんかも大きな特徴なんだけど、他のメンバーが作曲した曲や、他のメンバーが歌っていたりする曲でもQUEENっぽさを感じるでしょ? そのQUEENっぽさって、実はブライアンのギターによるところが大きいんじゃないかな。……ロジャー・テイラー のドラムや、ジョン・ディーコンのベースで気付く貴方は、相当なマニアですから。
『Killer Queen』
QUEENには名曲が多すぎてどれを紹介するかすごく迷ったんだけど、まずはこれかな。
QUEENとブライアン・メイの魅力が凝縮された一曲!
ギターオーケストレーションが堪能できます。
ブライアンのギターサウンドはちょっとギターっぽくないというか……、こう言うと語弊があるかもしれないけど、艶があって音が太い、というようないわゆる良い音(とされる音)じゃないんだよね。低域があまりない、中域を持ち上げた少し癖のあるサウンドで、初めて聴いたときは、なんか変わった音だな、と思ったっけ。ブライアンが長年愛用しているレッド・スペシャルと呼ばれるギターは、なんと彼自身が10代のころに古い暖炉の木などを使って父親と作り上げたもので、ピックアップなどの電気回路まで自作しているというから驚きだけど、さらにそのギターをピックではなく、6ペンス硬貨で弾くことによって、あのユニークな音色を出しているという。
『Brighton Rock』
ディレイを使ったブライアンの“一人輪唱”がよくわかると思います。
この曲はレコードでももともとディレイ使ってるんだけどね。
そして、そのユニークな音色でブライアンの専売特許ともいえるギターオーケストレーション(複数のギターを重ねてギターのオーケストラのようなサウンドにすること)と、なんだか気品の漂う、ロマンティックで夢見るようなフレーズを弾かれると、それはもうQUEENそのもの! ブライアンの特徴って、QUEENの特徴でもあるわけですよ。わかりやすいところだと、「キュワーン!」っていうギターのゴージャスなハーモニーフレーズ。あれを聴くと「QUEENっぽい!」って思うんじゃないかな。他の誰かがやったとしても、QUEEN風というか、ブライアン風にしか聴こえないんだよね(狙ってやる人も多いです)。
『’39』
名盤『オペラ座の夜』からブライアンのヴォーカル曲を。
これはギターオーケストレーション云々で語る曲ではないけど……、
ヴォーカルハーモニーがブライアンっぽいね。
こういう優しい歌声もブライアンの魅力の一つです。
そういえば、こんなにハモるのはTHIN LIZZYぐらい、なんてことを前回書いたけど、ブライアンがいたね。ただ、QUEENにはブライアン1人しかギタリストがいないわけで、ライヴでは基本的にそのまま再現が出来るわけじゃない。ライヴの場合は、これまたブライアンの専売特許的なプレイだけど、ディレイ(音を遅らせて原音に重ねるエフェクター)を駆使して、いわば一人で輪唱をやるように音を重ねていき、レコードとは違うギターオーケストレーションを構築している。そういったプレイは理系(天体物理学者の博士号を持っています)のブライアンならでは、というほど計算されているものだし、文系で感覚派の俺にはとても真似できませんが、そのパートだけで一曲として成り立つような、計算され尽くしたドラマティックなギターソロだとか、ブライアンのプレイは真似したいところだらけ!
これをやるとあの人に聴こえる、あのバンドに聴こえる……そこまでの個性を持ったギタリストは、ブライアン以外にどれくらいいるかな? もちろん、個性的なギタリストはたくさんいるけど、専売特許的なプレイを持っていて、かつ、ミュージシャンじゃない人にもそれが伝わるギタリスト、ってことになると、エディ・ヴァン・ヘイレンかイングヴェイ・マルムスティーン……、あとはU2のジ・エッジぐらいしか思い浮かばないかも。そして、その中でもブライアンは群を抜いて個性的だ。QUEENもブライアンも、あまりにオリジナル過ぎて、ワン・アンド・オンリーという言葉は彼らのためにあるんじゃないか、なんてことまで思ってしまうほど……。
※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/
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