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第239回 邦楽編 アイナ・ジ・エンド―― 気になるひと
2019 / 08 / 06
最近、気になるひとがいます。
ほんの数か月前のことなんだけど、何気なく観ていたテレビから流れてきた歌声に、心を鷲掴みにされてしまいまして。SIAを初めて聴いたときみたいな衝撃でした。その歌声の主は、アイナ・ジ・エンド という変わった名前で、BiSH というアイドルグループで活動しているという。彼女のことは全然知らなかったけど、それから気になっちゃってね。
先に書いたように、アイナ・ジ・エンドのことを知ったのはほんの数か月前。それ以降、SpotifyやYouTubeで聴けるだけ聴いてはいるけど、音楽総研で取り上げている他のアーティストのことのように、子供のころから聴いているというわけではないので、あれこれと語ることは出来ません。アイドルに関しては門外漢もいいところだし……ほんと、面白いことは書けません、と最初に断っておこう。わはは。でも、ロックミュージシャンから見たアイナ・ジ・エンド、という観点でちょっとだけ語らせてもらいますね。しばしお付き合いを。
アイナ・ジ・エンドは大阪出身で、もとはダンサー志望だったという。バックダンサーやPARALLELというグループでの活動を経て、BiSHに参加。BiSHっていう名前はなんとなく知っていて、その前身のBiS が炎上商法のような(いわく、プロレス的な)プロモーションをする、っていうのも聞いたことがあった。アイドルって大変だなあ、って思ったものです。そして、BiSHは“Brand-new idol SHiT”、「新生クソアイドル」の略だとのことで……、まあ……、いろんなアイドルがいるな、と。
ロックミュージシャンや、そのファンの中にはアイドルに否定的……というか、興味がない人が多い気がするけど、俺は否定しないし、ちょっとは興味もある。地下アイドルの曲でギターを弾いたこともあるし、BABYMETALのファンだし。まあ、同じように音楽をやる身ではあっても、アイドルにとっての音楽は、ダンスや演技にグラビア……なんていう、たくさんある表現方法のひとつであって、あくまで音楽がメインのミュージシャンとは違う、とは思っているけど。ミュージシャンやアーティストではなく、エンターテイナーだな、と。だから、というと語弊があるかもしれないけど、歌やダンスが下手でも、アイドルだしいいんじゃないの、なんて思うことも正直あります。求められているものが違う。
ただ、アイナ・ジ・エンドの歌を聴いたとき、ほんとにアイドルなの? ちょっともったいないんじゃないか、なんていう感想を持ってしまった。これじゃアイドルのことを下に見ているみたいだけど、決してそういう意味ではなく、アイドルをやっていると、シンガーとしてきちんと評価してもらえないんじゃないか、と。破滅的なメロディをしゃがれ声で歌うアイナの歌には本物のソウルを感じたし、鳥肌が立った。ロックミュージシャンになってほしいと思った。グループで歌うよりもソロで歌ってほしいとも思ったし……。でも、BiSHもすごく面白いグループだったんだよね。俺はまだ全員の顔と名前が一致していないほどの“にわか”だけど、メンバーそれぞれが個性的だし、ライヴ映像を観ると、その辺のロックバンドには負けないくらいの迫力がある。「楽器を持たないパンクバンド」との異名は伊達じゃない。BiSHはロックだし、パンクだ。ロックインジャパン や、サマーソニック といったロックフェスに出演するのも当然だろう。ロックファンも絶対盛り上がると思うよ。俺も観たいなあ。
グループで歌う曲を作るのは難しいと思う。全員に合うキーで曲を書くことなんてほんとに大変そうだし、最大公約数的なキーを選んで、作曲している曲もあるんじゃないか。そうすると、全員が無難にこなせるキーの曲になってしまいそうだし、もっと高いキーのほうが魅力を出せるメンバーもいれば、その逆もいるだろう。もちろん曲調にも合う、合わないはあるはずだ。アイナにしても、あまり実力が発揮出来ていないのでは、と感じる曲もある。しかし、このジャンルなんでもありのBiSHの曲のふり幅の広さは何事だ。それぞれに合う曲を順に書いたらこうなった? これがバンドだったら、何をやりたいのかわからない、なんていう批判の的にもなりかねないし、ソロアーティストであってもそうだろう。アイドルだからこそ、ある意味で制限なくやれるんだよね。
最近のアイドルは、BABYMETALしかり、sora tob sakana しかりで、ほんとに凄腕のクリエイターたちがこぞってプロデュースしていて、音楽的にものすごくクオリティが高く、かつ、アヴァンギャルドだったりする。彼らは、アイドルを隠れ蓑にやりたい放題に新しいことをどんどん試しているんじゃないか。俺、ちょっと反省しています。ロックミュージシャンだって、もっと冒険も勉強もしないとダメだ。いや、アイドルの曲、凄いわ。
そして、アイナ・ジ・エンドだ。ここまで長々と書いてきたこととは矛盾してしまうけど、やっぱり最初から最後までアイナが一人で歌う曲をもっと聴いてみたいと思う。アイナの歌は凄い……!
※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/
ほんの数か月前のことなんだけど、何気なく観ていたテレビから流れてきた歌声に、心を鷲掴みにされてしまいまして。SIAを初めて聴いたときみたいな衝撃でした。その歌声の主は、アイナ・ジ・エンド という変わった名前で、BiSH というアイドルグループで活動しているという。彼女のことは全然知らなかったけど、それから気になっちゃってね。
先に書いたように、アイナ・ジ・エンドのことを知ったのはほんの数か月前。それ以降、SpotifyやYouTubeで聴けるだけ聴いてはいるけど、音楽総研で取り上げている他のアーティストのことのように、子供のころから聴いているというわけではないので、あれこれと語ることは出来ません。アイドルに関しては門外漢もいいところだし……ほんと、面白いことは書けません、と最初に断っておこう。わはは。でも、ロックミュージシャンから見たアイナ・ジ・エンド、という観点でちょっとだけ語らせてもらいますね。しばしお付き合いを。
アイナ・ジ・エンドは大阪出身で、もとはダンサー志望だったという。バックダンサーやPARALLELというグループでの活動を経て、BiSHに参加。BiSHっていう名前はなんとなく知っていて、その前身のBiS が炎上商法のような(いわく、プロレス的な)プロモーションをする、っていうのも聞いたことがあった。アイドルって大変だなあ、って思ったものです。そして、BiSHは“Brand-new idol SHiT”、「新生クソアイドル」の略だとのことで……、まあ……、いろんなアイドルがいるな、と。
BiSH 『DiSTANCE』
最初のサビを歌うのがアイナ・ジ・エンド。
曲調とあいまって、胸がギュッと締め付けられます……。
しかし、最近のアイドルってこういう曲もやるんだね。もう完全にロックじゃん。
ロックミュージシャンや、そのファンの中にはアイドルに否定的……というか、興味がない人が多い気がするけど、俺は否定しないし、ちょっとは興味もある。地下アイドルの曲でギターを弾いたこともあるし、BABYMETALのファンだし。まあ、同じように音楽をやる身ではあっても、アイドルにとっての音楽は、ダンスや演技にグラビア……なんていう、たくさんある表現方法のひとつであって、あくまで音楽がメインのミュージシャンとは違う、とは思っているけど。ミュージシャンやアーティストではなく、エンターテイナーだな、と。だから、というと語弊があるかもしれないけど、歌やダンスが下手でも、アイドルだしいいんじゃないの、なんて思うことも正直あります。求められているものが違う。
MONDO GROSSO 『偽りのシンパシー』
これまでにも様々なシンガーとコラボしてきたMONDO GROSSO。
アイナに目を付けるとはさすが……って、何様だっつーの。ドラムは屋敷豪太さんかな?
超一流のミュージシャンを相手に堂々とした歌声を聴かせるアイナ!
ただ、アイナ・ジ・エンドの歌を聴いたとき、ほんとにアイドルなの? ちょっともったいないんじゃないか、なんていう感想を持ってしまった。これじゃアイドルのことを下に見ているみたいだけど、決してそういう意味ではなく、アイドルをやっていると、シンガーとしてきちんと評価してもらえないんじゃないか、と。破滅的なメロディをしゃがれ声で歌うアイナの歌には本物のソウルを感じたし、鳥肌が立った。ロックミュージシャンになってほしいと思った。グループで歌うよりもソロで歌ってほしいとも思ったし……。でも、BiSHもすごく面白いグループだったんだよね。俺はまだ全員の顔と名前が一致していないほどの“にわか”だけど、メンバーそれぞれが個性的だし、ライヴ映像を観ると、その辺のロックバンドには負けないくらいの迫力がある。「楽器を持たないパンクバンド」との異名は伊達じゃない。BiSHはロックだし、パンクだ。ロックインジャパン や、サマーソニック といったロックフェスに出演するのも当然だろう。ロックファンも絶対盛り上がると思うよ。俺も観たいなあ。
アイナ・ジ・エンド 『きえないで』
アイナのソロデビュー曲。なんと、作詞作曲はアイナ自身が手掛けているという。
凄い才能の持ち主だね……。
グループで歌う曲を作るのは難しいと思う。全員に合うキーで曲を書くことなんてほんとに大変そうだし、最大公約数的なキーを選んで、作曲している曲もあるんじゃないか。そうすると、全員が無難にこなせるキーの曲になってしまいそうだし、もっと高いキーのほうが魅力を出せるメンバーもいれば、その逆もいるだろう。もちろん曲調にも合う、合わないはあるはずだ。アイナにしても、あまり実力が発揮出来ていないのでは、と感じる曲もある。しかし、このジャンルなんでもありのBiSHの曲のふり幅の広さは何事だ。それぞれに合う曲を順に書いたらこうなった? これがバンドだったら、何をやりたいのかわからない、なんていう批判の的にもなりかねないし、ソロアーティストであってもそうだろう。アイドルだからこそ、ある意味で制限なくやれるんだよね。
最近のアイドルは、BABYMETALしかり、sora tob sakana しかりで、ほんとに凄腕のクリエイターたちがこぞってプロデュースしていて、音楽的にものすごくクオリティが高く、かつ、アヴァンギャルドだったりする。彼らは、アイドルを隠れ蓑にやりたい放題に新しいことをどんどん試しているんじゃないか。俺、ちょっと反省しています。ロックミュージシャンだって、もっと冒険も勉強もしないとダメだ。いや、アイドルの曲、凄いわ。
そして、アイナ・ジ・エンドだ。ここまで長々と書いてきたこととは矛盾してしまうけど、やっぱり最初から最後までアイナが一人で歌う曲をもっと聴いてみたいと思う。アイナの歌は凄い……!
※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/
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