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第271回 洋楽編 EDWARD VAN HALEN ―― エディ、俺のヒーロー
2020 / 10 / 13
10月7日の朝、ネットを開くと信じられないニュースが目に飛び込んできました。VAN HALENのギタリスト、エドワード・ヴァン・ヘイレンが亡くなったとのこと……。マジか、マジか、マジか……! ここ数年ずっとエディの体調不安説が流れていたから、心配はしていたんだけど、まさかこんな日がくるなんて……。なぜか、エディならきっとまた戻ってくると、俺はなんの疑いもなく信じていました……。 『Hot for Teacher』 『Right Now』 エディのギターソロ。プレイも音色も美しい......
VAN HALENのことはことあるごとに何度もここで書いているけど、(世界中のたくさんのファンと同じように)俺にとって特別なバンドでした。なんたって、ハードロックに目覚めたきっかけのバンドだもの。そして、エディももちろん俺にとって特別な、特別な存在でした。6年生の時に『1984 』を聴くまでは、「ドラムをやるかベースをやるか……、やっぱりギターかな」程度に思っていたのが、エディのギターを聴いて「こんなの弾いてみたい! 俺はギタリストになるぞ!」と、すっかりギタリスト志望に変わったんだよね。あれから幾年月、俺は少しでもエディに近づけただろうか……。
エディがどれほど凄かったか、どれほど革新的だったか、それはいろんな人が書いているだろうし、みんな知っていると思うから、ここにはあんまり詳しくは書かないけど……、個人的に憧れてやまなかったのは、“ブラウンサウンド”と呼ばれるエディのギターサウンドと、エディが編み出したリフの数々です。ライトハンド・タッピングを始めとする、ギターソロに使われる特徴的なテクニックもとんでもなく凄いんだけど、VAN HALENはデイヴ・リー・ロスやサミー・ヘイガー、ゲイリー・シェローンという名シンガー達の歌がなくてもキャッチーに聴こえるほど、エディの躍動感あふれるリフが魅力的なんだよね。俺がシャッフルを弾くのが得意なのは、エディの影響が大きいかもしれない。グルーヴィな跳ねるリズムは、エディのギターで覚えました。
ここで何度紹介しただろう。俺のフェイヴァリットソングです
VAN HALENの曲には、イントロのリフとサビのリフが同じだったり、少し変化させたりしたものが多い。とくにデイヴ時代にその傾向が顕著だ。『Jump 』、『Panama 』、『Unchained 』……、俺のフェイヴァリットソング、『Hot for Teacher 』もそう。シンガー達の資質の違いもあるかもしれないけど、それだけリフが印象的でキャッチーだったってことだよね。そしてリフを書くのが上手いというのは、作曲能力が高いということでもある。クレジット上はメンバー全員での作曲になっているけど、おそらくほとんどエディが曲を書いて、シンガー達が歌を乗せていたはず。あらためて言うことでもないけど、VAN HALENがあれだけ人気があったのは、エディのギターが凄かったから、だけじゃない。エディが書く曲が凄かったからだ。
エディのサウンドに関しては、真似をしようとしてもなかなか真似出来るものではなかったけど、あんな音が出したいと、今でも思っています。『1984』を初めて聴いたころは、まだギターも弾いていなかったし、サウンドのことはよくわからなくて、ただただカッコいいとしか思っていなかったけど、サミーが加入してすぐにライヴビデオ がリリースされたころには、すでにギターを弾いていたし、少しはギターサウンドのこともわかるようになっていたから、あのビデオでのエディのギターサウンドは衝撃的だったなあ。それほど歪んでいないように聴こえるのに、サスティーンが長いし、複雑なプレイもクリアーに聴こえる。どこかウェットで、柔らかさもあって……、エディのイメージとは違うように聞こえるかもしれないけど、美しいと思ったんだよね。もちろん、プレイだって素晴らしかった。もうね、焦がれるほど憧れていました。エディのように弾けたらなあ……。
サミー時代の名曲。エディにしては珍しいマイナー調のソロが聴けます
人は必ず死ぬ。そんな当たり前のことに、あらためて気付かされてしまった。あのエディ・ヴァン・ヘイレンだって例外じゃない。でも、それはもっともっと先のことであってほしかった。エディ自身だってきっと......、エディはバンドに引き入れた息子、ウルフギャングの初のソロアルバムを聴くことは出来たんだろうか(現時点ではまだ発売されていない)。いまだに、頭の固いオールドファンからのウルフギャングに対する心無い批判があると聞く。ウルフギャングのソロアルバム発表は、きっとエディにとっても誇らしいことだったはず......。
エディが亡くなったと聞いてから、VAN HALENが聴けなくなってしまった。とくに、大好きだったデイヴ時代の曲は能天気なほどの明るい曲が多いし、今の自分の気持ちにあまりに合わなくて。でも、この原稿を書くときのBGMはVAN HALEN以外にない。......VAN HALENを聴いて、涙が出たのは初めてです。
R.I.P. Eddie, My heartfelt condolences to you and your family.
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