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第272回 洋楽編 BON JOVI ―― この時代だからこそ誕生した傑作! BON JOVI待望のニューアルバム発表
2020 / 10 / 27
いまだエディ・ヴァン・ヘイレンが亡くなってしまったショックから立ち直れていないところに、古い友人が亡くなったことを知って、とてもショックを受けています。3回も続けて更新のたびに訃報を書くことになるなんてね……。 『American Reckoning』
それでもこのコロナ禍のなか、いくつかポジティヴなニュースもありました。なかでも、BON JOVIのニューアルバム 発売は嬉しいニュースだった! コロナウイルスのパンデミックのために5月から12月に発売が延期されていたアルバムが、今月2日に発売されたのです。ほんの2ヶ月程度とはいえ、やっぱり嬉しかったなあ。
シンプルに『2020』と題されたニューアルバムは、予定されていたツアーのキャンセルや世界情勢などを鑑み、先に書いたとおり、発売が延期されていました。そして、この延期期間中に起こったロックダウン下での経験や、アメリカでまたしても沸き上がった人種差別問題を受けて、あらたに2曲を作曲して収録曲の差し替えを行い、もともと『BON JOVI 2020』というタイトルだったものを『2020』へと変更。もともとアメリカ大統領選が行われる年だということを見据えてのタイトルだったというが、ニューアルバムに伴うインタビューで、ジョン・ボン・ジョヴィ(Vo)は、「時事的なアルバムにしたいとの思いから『2020』に変えた」と語っている。たしかに『BON JOVI 2020』では、単に2020年のBON JOVIのアルバム、としか捉えられない可能性もある(米国以外ではとくにそうだろう)。『2020』だけであれば、BON JOVIが、ではなく、2020年という、今年そのものにスポットが当てられるように感じる。このタイトルは、年が経つにつれ、重みを増すのではないか。
アメリカは燃えている、という衝撃的なフレーズから始まるこの曲は、ジョージ・フロイド氏の事件の後に書かれたという
今回のアルバムには、これまでよりも政治色が濃い歌詞が多い。ジョンは以前から政治的なテーマを扱ってきたけど、今回はいつも以上......、とくに『Blood in the Water』などはかなり辛辣な内容だ。ただ、発売延期の決定後に書かれた『Do What You Can』では、「普段していることが出来ないなら、今、自分に出来ることをやろう」とBON JOVIらしいポジティヴなメッセージが綴られていて、BON JOVIの明るい面が好きなファンも満足できるはず。SNSを通じてファンと共に書き上げた歌詞には、「ソーシャルディスタンスを保つよ、でもこの世界に必要なのはハグなんだ」と、この時代でなければ書かれなかったであろう一節がある。この曲の歌詞は、ぜひじっくりと読んでほしいな。ジョンは『Livin' on a Prayer 』のころから変わらず、あきらめない人々へのエールと、希望を歌っている。こんな時代に、BON JOVIがアルバムを出してくれた意味は大きい。
『Do What You Can』
ロックダウン下のニューヨークの街を歩くマスク姿のジョン……。途中登場する『Diana』のビルボードはデイヴィッドが作曲を担当したミュージカル(公演は延期)。デイヴィッドはコロナウイルスに感染したものの、回復している
『Limitless』
近年のBON JOVIらしいロックソング。こういう曲調ならフィルのギターソロがあってもいいんじゃないかなあ......
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