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第294回 邦楽編 LOVEBITES ―― 愛を込めてLOVEBITESへ
2021 / 08 / 31
またしても、またしても悲しいニュースが届きました。8月24日、THE ROLLING STONES のドラマー、チャーリー・ワッツ が亡くなったとのこと......。今秋に行われる予定だったストーンズのツアーに健康上の理由で参加しないというニュースを耳にしていて、たいしたことがないといいけれど、と思っていたんだけどなあ。残念です......。そして今回はもうひとつ、とてもショックなニュースがありました。LOVEBITESからベーシストのmihoが脱退し、バンドは活動休止! ちょっと信じられないです。うーん......、今回はLOVEBITESについてあらためて書いてみます......。
LOVEBITESは2016年に結成されたasami(Vo)、miyako(G,Key)、midori(G)、haruna(Dr)と、先日脱退を表明したベーシストのmihoの5人からなる女性メンバーのみのヘヴィメタルバンド。以前にも音楽総研で紹介したけど、その活動、サウンドはあの頃よりもさらにパワーアップし、日本国内のみならず、海外でも着実にフォロワーを増やしています。もしかすると、今はもう海外の人気のほうが高いかもしれない。ドイツのヴァッケン・オープン・エアや、イギリスのダウンロードフェスティヴァルなどの世界最大級のメタル・フェスに出演し、スペシャルゲストとしてDRAGONFORCE のヨーロッパツアーに帯同するなど、まさに世界を股に掛けて活動しています。
LOVEBITESの何が凄いって、"ピュアメタル"とでも呼びたくなるくらい、正統派のヘヴィメタルバンドなところがいい。音楽的にはスピードメタルやスラッシュメタルなどの様々なタイプのヘヴィメタルのサウンドが取り入れられてはいる。それでも、LOVEBITESからは、IRON MAIDEN やJUDAS PRIESTなどのレジェンドたちのような、王道を受け継ぎ、王道を進む、ピュアなヘヴィメタルバンドの匂いがある! LOVEBITESには、スピードメタルだとか、ガールズメタルだとか、そういった細かいジャンル分けや肩書きは必要ない。気持ちいいぐらい、生粋のヘヴィメタル! そして、あの高い演奏技術と、圧倒的で魅力的な楽曲だ。ほんとに世界基準のバンドだと思う。
YouTubeで先日公開されたライヴ映像が素晴らしくて何度も観ている。性別は関係ないとはいえ、やはり女性だけがやっているヘヴィメタルバンドで、ここまで迫力がある音を出しているバンドを、他に知らない。そして、もとはR&B畑のシンガーで、ヘヴィメタルにも興味がなかったというasamiの堂々とした歌いっぷりが凄い! アルバムで聴くよりもさらに声が太くなっているし、迫力満点のバックのサウンドにも全く負けておらず、ステージ上での佇まいも含め、すっかりヘヴィメタルバンドのシンガーになっている。凄いな。......LOVEBITESはこんなに凄いのに、活動休止なのか。
『Set The World On Fire』
先日公開された、9/29に発売予定のBlu-ray/DVDからの最新ライヴ映像。
バンドも凄いけど、asamiのヴォーカルが圧巻......!
コロナ後のライヴのため、曲が終わった後に、歓声がなく拍手のみなのがより荘厳さを醸し出しているような
LOVEBITESはmihoとharunaで始めたバンドだという。脱退を表明したmihoは、バンドのリーダーたったはずだし、ライヴで「We are LOVEBITES, and We play Heavy Metal !」とasamiが叫ぶのも、mihoのアイディアだったはず。これはMOTÖRHEADのかの有名な「We are MOTÖRHEAD, and We play Rock n' Roll !」というMCをもじったものだけど、楽曲はもちろん、そういった古参のメタルファンが大喜びしそうなセンスもLOVBITESの大きな魅力で、それはmihoによるところが大きかったんじゃないか、と個人的には感じている。メインソングライターのmiyakoが音楽的な支柱ならば、mihoはLOVEBITESの精神的な支柱だったんじゃないか......。
『Glory To The World』
今年3月に発表されたEPからのクリップ。ギターソロが凄すぎてちょっと笑えてしまうという......
公式サイト にmihoが脱退することを表明したコメント が載っている。いわく、ここ数年の環境変化によって、アーティストと音楽の関わり方や表現方法の変化が余儀なくされる中で、これからの自分自身の人生について思い悩み、熟考したうえで、脱退することを決断したということだけど......、そのコメントを見ても、なぜ脱退しようと思うに至ったのかはわからない。出来ることなら、今からでも思い直してほしいと思うけど、バンドは全員が同じ熱量で同じ方向を見ていないと(もしくは絶対的な牽引力を持ったリーダーがいるか)、続けるのが難しいのはよくわかる。LOVEBITESはメンバーのバランスもよく、誰かが脱退する可能性なんて想像もつかないくらい、完璧なメンバーが集まった、奇跡のようなバンドだったし、そんなバンドなら、なおさら一緒に続けるのは難しいよね。
『The Hammer of Wrath』
mihoのペンによる俺のフェイヴァリット! 2018年、イギリスのブラッドストック・オープン・エアでのライヴ映像。
まだ少し初々しさが残ってる?
mihoの脱退を受けて、LOVEBITESは活動休止を表明したけど、必ず戻ってくるとも言っている。miho自身も引退を表明したわけではないし、いつかまた違う形で彼女の音楽を聴くことが出来るかもしれない......。どちらの未来も応援します。そう遠くない未来に、きっと戻ってきてくれると、信じているよ!
※文中敬称略
※ikkieのYouTubeチャンネルです!
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